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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百三十三話 フェザーン独立
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思います、主席閣下」
ペイワードが顔を引き攣らせた。良くない傾向だな、皆が見ているんだぞ。

「それとヘンスロー高等弁務官はハイネセンに帰還後は二十四時間体制で護衛が付くそうです、意味はお分かりいただけますね?」
「……」
「主席閣下、スマイルですよ、スマイル。皆が見ております、さあにこやかに」
マリーンドルフ伯が笑い出しペイワードが泣き笑いのような笑みを見せた。何だよ、それは。人の親切を無にする奴だな、俺はお前を苛めていないぞ、励ましているんだ。勘違いするなよ、ペイワード。

不愉快な調印式が終わり高等弁務官府に戻ると直ぐにハイネセンのトリューニヒトに連絡を入れた。スクリーンにトリューニヒトの顔が映る、ペイワードの顔よりも可愛げがある様に見えた。多分気のせいだろうな。
『調印式は終わったのかね』
「ええ、無事終了しました。そちらは如何ですか?」
『経済界から反乱は本当に半年で鎮圧出来るのかと質問攻めだよ。彼らは新たなビジネスチャンスを早くものにしたいらしい』
そう言うとトリューニヒトが苦笑を浮かべた。

実は俺の考案した作戦案は俺が考案したという事も含めて公にはされていない。帝国から公表するのは待って欲しいと懇願されたのだ。反乱だけでも面目丸潰れなのに攻略案まで作って貰ったとなっては帝国の威信はガタ落ちだ、反発が出る可能性も有る。という事で表向きは帝国政府から鎮圧には半年かかると同盟政府に連絡が有ったという事になっている。反乱鎮圧後、帝国側から真実を公表する事になっている。面倒な話だよ、全く。

「辛い立場ですね、話せないとは」
『全くだ。何と言っても相手がイゼルローン要塞だ。なかなか納得してくれない。経済界からは反乱鎮圧には同盟軍を動かしてはどうかという声も有る。君を現役復帰させてね』
意味有りげな笑みをトリューニヒトが浮かべた。
「面白い冗談ですね」
『連中は結構本気だよ』
楽しそうだな、トリューニヒト。音頭取りはお前だとしても俺は驚かんぞ。

『ところでフェザーンの様子は如何かね?』
「予想した事では有りますが帝国に対する反感が強いですね」
『では同盟には?』
「反感は有るでしょう。何と言っても帝国とは協調体制を取っています。しかし帝国程憎まれてはいない、そんなところです」
トリューニヒトが“なるほど、気休めにはなるな”と言って頷いた。

『今回の反乱に絡んでいるかな? 或いは絡んできそうかな?』
「今のところは何とも言えません。反乱が鎮圧されれば何か分かるとは思いますが……」
『或いは反乱が長引くかだね。そうなれば動き出す人間が居るはずだ』
「そういう意味では半年というのはちょっと微妙ですね」
トリューニヒトが笑い出した、俺も笑った。

『そうだな、長過ぎはしないが短いとも言えな
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