第7章:過去から未来への歴史
第6話:背水の陣
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(エビルマウンテン)
デスピーSIDE
リュカ達一家が盛大な露払いをしてくれた土地を、エビルプリーストに向かい歩む俺達。
完全版の進化の秘法でパワーアップした奴の迫力は、流石の俺にも脅威であり、些かの気後れは否めない。
だが俺の隣には敵として命を狙った勇者の姿が……これ程頼もしい味方は居るまい。
そして俺達と共に力を合わせてくれる仲間が、直ぐ後ろから付いてきてくれる。
一人一人は弱い存在でも、それが集まり協力すれば大いなる力になる。
今の俺になら、その事が良く解る! 共に助け合う事を……助け合える仲間を得た事を……
俺はこの仲間達に感謝している。
この仲間達と親睦を深める手伝いをしてくれたロザリー・ラピスにも。
そして、その切っ掛けを与えてくれたリュカ達にも!
だから俺はリュカの方へ視線を向けた。
一番後ろから付いてくるリュカ一家の方を……だが、エビルプリーストまで30メートルくらいの所で、ビアンカが突然荷物の中からビニールシートを取りだし広げる。
そして、疲れ切って動けずリュカに足を引っ張られ引きずられていたウルフを除くリュカ家全員が、そのビニールシートの上に座り寛ぎだした。(ウルフはシートの端に重石の様に放置)
今朝用意してあったと思われる紅茶の入った魔法瓶から、各々の持つマグカップに注いでもらいながら……
「あ? 何歩みを止めてんだお前等……戦うんだろ!? さっさと行けよ」
「そうよ〜、私達は十分に手伝ったんだから、後は貴方達で頑張りなさい。私達は残った携行食を食べながら、みんなの戦いぶりをここで見てるから」
これから最終決戦だというのに、まったり寛ぐ非常識ぶりに固まる俺達……
「はいリュカ」
コイツ等だけピクニックなのかと思うくらい、爽やかな笑顔で携行食を手渡すビアンカ……
「ありがとう。ほら、マリー達も食べろよ。この戦いが終われば、携行食の必要も無くなるんだ。残しても意味がない」
家長が優しく子供達に食事を勧めてる。
つーか、何時の間にかアローも奴等の中に混じっていた!
何ぃ〜、この俺達との温度差は!?
「ウルフ君もヘバってないで食べなさい。紅茶も沢山あるんだからね」
「お、俺はいいっす。ここまで引きずられる間、たらふくビアンカさんのセクシーパンツを拝んでたから、もう胸がいっぱいッス!」
何アイツぅ〜……立てないほど疲れてるのに、人妻のスカートの中を覗く余裕だけあんじゃん! 別ん所は元気そうじゃん!
「いだだだだっ! やめてリュカさん、マジで止めて!」
妻の下着を覗かれた夫が、怒りにまかせ覗き野郎の足を四の字固めで折檻する。
地面をバンバン叩き悶絶するのはウルフ。
「ギブ、ギブだから! マジでギブだからぁ! ごめんなさい! 忘れる…
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