第七十九話 マラソン大会その六
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「皆も見て面白いかなって思って」
「それで私達もなの」
「図書館に誘ってくれたのね」
「そう、ちょっといいかしら」
「それで何なの?」
「何を調べるの?」
「野球のことなの」
それに関することだというのだ。
「ちょっとね」
「野球?」
「そう、阪神のことでだけれど」
「阪神で何かあったのかよ」
美優は目を瞬かせて里香に問い返した。
「今は誰も怪我してないだろ」
「ええ、今のことじゃなくて」
「昔の阪神のことかよ」
「そうなの、ちょっと阪神の歴代スラッガーのことが気になって」
図書館に行って勉強するというのだ、それで里香はプラネッツのメンバーに確かな声でこう言うのだった。
「それでなの」
「歴代スラッガーね」
琴乃はそう聞いてまずはこの選手の名前を出した。
「金本さんとか」
「兄貴さんね」
「あの人のこともなの」
「もっと前の人なの」
より、というのだ。
「助っ人のスラッガーなの」
「バースさんとか?」
「もっと前の、昭和五十年代前期の」
「ブリーデンさんとかラインバックさんとか?」
琴乃はそうした名前を聞いて言った。
「そうした人達?」
「そう、特にラインバックさんね」
「あの人確か」
ラインバックと聞いてだ、琴乃は悲しい顔になって言った。
「もう」
「お亡くなりになられてるのよね」
「そうよね」
「ええ、私もそのことは知ってるわ」
里香が知らない筈がなかった、何しろ阪神のことに関しても五人の中で最も豊富な知識を持っているからだ。
「けれどね」
「それでもなの」
「少し色々知りたいって思って」
「ラインバックさんのことを」
「本当に必死でプレイしていた選手らしいから」
とにかくその懸命なプレイで有名だった、全力を尽くす。
「調べてみたくなったの」
「いい人だったらしいわね」
彩夏はしみじみとしてこう言った。
「ひたむきに野球してて」
「そう、だからなの」
「ラインバックさんに興味持ったのね」
「それでなの」
「じゃあ一緒に行くか」
美優はこう言った、五人の意見をまとめる形で。
「それじゃあな」
「ええ、じゃあね」
「今からね」
「さて、それじゃあな」
こう話してだった、五人で図書館に行ってだった。
その図書館の中でラインバックについて調べた、そしてだった。
そのプレイの内容等を調べてだ、里香はしみじみとしてこう言った。
「残念ね」
「だよな、お亡くなりになってるのが」
美優もこう言う。
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