第七十九話 マラソン大会その四
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「花の二十代みたいで」
「実際は、なのね」
「あの人の漫画キャラクターも外見変わるけれど」
女帝エカテリーナにしてもエロイカにしてもだ。エカテリーナ二世もナポレオンも年齢と共に外見が変わっていく。
「オスカルは最後の方はね」
「若作りなのね」
「そうみたいよ」
「ううん、それでも三十四歳だったなんて」
「信じられないでしょ」
「ちょっと以上にね」
景子は正直にこう答えた。
「もっと若いって思ってたわ」
「声もそうだったしね」
「声優さん女の人よね」
「ええ、実際女性だから」
男装の麗人だ、おそらくこのジャンルのキャラクターもオスカルからだ。
「そうよ」
「宝塚でもだから」
「宝塚はね」
言うまでもなく女性の世界だ、うら若き。
「ああした世界だからね」
「それは当然よね」
「ええ、それに宝塚は」
彩夏は宝塚について何処かうっとりとして話した。
「豪華絢爛でしょ」
「派手、よね」
「そう、派手でね」
しかもなのだ。
「死ぬまでやたら長いのよね」
「凄い時間かかるわよね」
宝塚では結末は主人公なり重要人物の死で終わることが多い、しかしその死の場面が見せ場であるだけになのだ。
「手当出来るんじゃっていう位に」
「そうよね」
「実はうちのお母さん宝塚好きなの」
ここで里香が言ってきた。
「尊敬する人は小林一三さんっていう位の」
「小林さんってあれだよな」
美優はその名前を聞いてすぐに言った。
「阪急グループの」
「そう、今の阪急グループを作った人よ」
まさにそう言うに相応しい人物だ、関西鉄道の大立者と言ってもいい。
「阪急ブレーブスも作られた」
「そうだよな」
「もうブレーブスはないけれど」
極めて残念ながら。
「宝塚はあるから」
「その宝塚を作った人か」
「ええ、そうよ」
まさにその人だというのだ。
「お母さん凄い人だっていつも言ってるわ」
「そうなんだな」
「他にもね」
里香はさらに話す。
「近鉄の佐伯勇さん、南海の川勝さんもね」
「里香ちゃんのお母さんが尊敬する人か」
「そうなの」
「何かその顔触れってあれだよな」
美優はその三人を聞いてこう言った。
「パ・リーグの」
「そうよね」
「そうだよな、野球か」
「もうどの会社もチーム持ってないけれどね」
「残念だよな」
「阪神はあるけれどね」
「あそこは身売りないだろ」
まず、というのだ。
「幾ら何でも」
「身売りしたら日本全体が大騒ぎよね」
「阪神だけはな」
それこそとだ、美優も言う。
「人気は日本一だからな」
「強かったり弱かったりするけれどね」
それもまたj阪神だ、いつも勝てるチームではない。
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