第二十九話
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ま、言ってなかったから知らなくて当然か。
「それにしても、アンタと土御門さんの二人と一緒にいる雪姫さんって・・・あの人も実はすごいランクを持ってたりするの?」
「あー・・・いや、そういうわけじゃないぞ。得意分野に関して言うならこの学校でもトップクラスになるだろうけど、全体的に見たらそうでもない」
「はっきり言うのね・・・」
「誤魔化す必要もないしな」
とはいえ、才能はある。
得意分野に関して言うなら、あんまり油断してるといつ足元をすくわれるか分かったもんじゃないし。
「・・・んで?聞きたいことはこれで終わり?」
「そうね・・・ええ、もう聞きたいことはないわ」
「なら、そろそろ結界も消すか」
伸びをしながら結界を消して、式神も回収する。
「そういや、ラッちゃんはこの後何か予定はあるのか?」
「ううん、特にないわ。部活にも入るつもりはないし」
「へえ、そうなんだ。ちょっと意外だな」
「そう?まあ、高校ではもういいかな、って思ったのと・・・」
そう言いながら、なぜかラッちゃんは少し言いづらそうにして・・・
「どうした?」
「えっと・・・ここに遊びに来てもいいかしら?」
「ああ、別にいいぞ。普段は、もう少し人がいるはずだし」
そう返すと、なんとなく満足したような顔になった。
よく分からんが・・・ま、気にしなくていいか。
「何にしても、特に予定がないんならどこかに遊びに行かないか?」
「この後?」
「ああ、この後。中学の頃はよく行っただろ?」
ま、どうせ懐かしいんならいっそ、とことん懐かしもう、ということだ。
「別にいいけど・・・一回家に帰ってからにするの?」
「いや、そうじゃない・・・ってか、そうできないといいますか・・・」
「?どういうこと?」
「・・・九字まで帰宅禁止令が出されました・・・」
「・・・そう」
俺が何を言っているのか全く分からないだろうが、それでもまあ事情は、なんとなく察してくれたようだ。
「それなら、いいわ。どこか行きましょう」
「サンキュー。正直に言うと、一人でどう時間をつぶそうかと思ってたんだ」
こうして俺は、時間をつぶす算段を付けることができた。
とはいえ、まだ三時を回ったくらいだし、六時間もどう時間をつぶすんだ、って話なんだけどな。
「じゃあまずは、お昼に行きましょう。まだ食べれてないし。カズはもう食べた?」
「あ・・・そういやまだだった」
「なら決定ね。ほら、行くわよ」
そう言いながら立ち上がったラッちゃんの横につきながら“化”の式神を展開して、部屋を出た。
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