マクロスF
番外編029話 その頃のホワイトスター
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そんな事態になっているとしたら……
「通信機の電源を切っている? あるいは壊れた?」
「けど、通信機の方はそう簡単に壊れるような作りじゃない筈よ?」
レモンと共に通信機を開発したマリューの言葉に、レモンもまた頷く。
そして、お互いが目と目で連絡の取れない理由を予想して厳しい表情を浮かべる
「つまり、どういう事だ?」
話の流れに不穏なものを感じたのだろう。結論を促すようにスレイが口にし、コーネリアもまたレモンとマリューへと説明を求めるように視線を向けていた。
「ちょっと待って。まだ確証は無いわ。リュケイオス周辺にはカメラが仕掛けてあるから……来たわ」
寝室に備え付けられているコンソールを素早く操作し、次の瞬間には画面にリュケイオスの様子が映し出される。
「時間は……取りあえず昨日の夜からでいいわね」
呟くや否や、画面に映し出されている映像が早送りされていき……
「ストップだ!」
コーネリアの声でレモンは画面を素早く操作して録画されている内容が映し出される。
そこに現れていたのは、ゲートのすぐ近くにある影から一糸纏わぬ姿のアクセルが姿を現すところであり、そのアクセルに近づいて来た量産型Wへと何らかの指示を出しているところだった。
「これは……」
思わず息を呑んだスレイの見ている中で、一見すると酔っ払っているようには見えない程に足取りのしっかりとしたアクセルが光の繭のような転移フィールドに包まれ、次の瞬間にはその姿を消す。
『……』
一連の行動が何を意味しているのかを知った一同は無言で映像モニタへと視線を向けている。
だが、そんな中で、最初に我に返った人物がいた。
「わ、私が……私がアクセルにアルコールを飲ませたから……」
「落ち着きなさい!」
自らの肩を抱きしめるようにして震えながら呟くスレイに、レモンが一喝する。
「だが!」
「いいから、落ち着きなさい。大丈夫、大丈夫だから」
尚も言い募ろうとしたスレイを抱きしめ、背中を撫でるレモン。そのまま5分程が過ぎ、ようやく落ち着いたのだろうスレイがレモンの背中を小さく叩く。
「すまん、見苦しいところを見せたな」
「無理も無いわよ。けど、取り乱すのは事実を確認してからにしましょう。その後でなら私も十分に付き合って上げるから」
いつもの気怠げな笑みではなく、包み込むような優しさを感じる笑みを浮かべてレモンはスレイにそう告げる。
そんな2人の様子を見ていたマリューが手を叩きながら口を開く。
「何をするにしても、まずはシャワーを浴びましょ。私達4人とも汗やら何やらで汚れたままよ」
その言葉に、一瞬で夜の出来事を思い出したのだろう。それぞれが赤くなったり
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