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ソードアート・オンライン 〜白の剣士〜
水龍と戦略
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れは不味いのか?」

「近代戦闘において自軍の損失が大体30%なら撤退可能だが、それが50%になれば事実上の壊滅状態を意味する。だが、生憎この戦闘に撤退は出来ないんだよね〜・・・」

「ならば、やることは一つだな」

「ああ、なるべく速く向こうの戦力を削ぎ落とす必要がある」

「分かった、では急ぐとしよう」

「ユージーンたちは西から、サクヤさんたちは東から攻めてくれ!俺は他を回る!!」

「「了解!!」」

サクヤたちは東へ、そしてユージーンたちが西へ移動しようとしたときのことだった。シオンに通信が入った。

「アリシャさんから?」

「どうした、ルー?」

『シオンくん大変!!敵側からエネミー反応が出てる!!』

「何だって!?」

その言葉にサクヤ、ユージーンが移動を中止する。

「数は?」

『分からない!反応が多すぎて・・・たぶん、千は超えてる』

「ッ!!」

「やっぱり来たか・・・」

シオンの発言に二人は疑問の表情を浮かべる。

「やっぱり、とは?」

「言葉通りの意味だ、奴は必ずエネミーを飛ばしてくると思っていた。別に戦力がプレイヤーでいいとは言ってないからな。おそらく空と地上、両方を攻めてくるだろうな」

「なら、どうすれば・・・」

「さっきも言ったでしょ?なるべく速く向こうの戦力を削ぎ落とすって。少し早いが、アレ(・・)を使うか・・・」

シオンはある人物に通信を繋いだ。

「聞こえるか?シュタイナー?」

「ああ、聞こえるよ♪」

シオンが今繋いでいるのはSAO時代カフェを経営していたシュタイナー。現在はプーカとして音楽魔法を得意とし、ついた二つ名が“旋律の奏者”。以前シオンが奏龍《クラウンドラゴン》をテイムしに行った際に協力もしている。

「少し早いがアレ(・・)を使う。いけるか?」

「OK、OK。僕を誰だと思ってるの?」

「ふっ、愚問だったか。任せたぞ」

「りょうか〜い♪」

シュタイナーは通信を切ると、話にあったエネミーを確認する。

「おーおー、これまた随分と多いね〜」

シュタイナーは指揮棒のような杖を取り出す。

「それじゃあ、行きますか」

そして、シュタイナーが杖を構えるとそこには異様なほどにも空気の変動が感じられた。

「ここから先へは、ウチの大将の所へは、行かせないよ♪」


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