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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
拠点フェイズ 4
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州牧だなんて。

 思わず自分のほっぺをつねる。

 ……………………痛くない。
 やはり夢か。

「……なにしているのよ」
「うぴゃ!?」

 確認の為に、さらに両手でほっぺをつねろうとして変な顔になってしまった所を、曹操に見られてしまった。
 ちなみに、今度はしっかり痛かった。

「い、いやその……わ、我が身の幸運に、思わず夢かと思って」
「…………………………はあ」

 うう。
 盛大に溜息を吐かれてしまった。
 思いっきり呆れられたのだろう。

「安心なさい。ちゃんと現実よ……ちょっと話さない?」

 痛む頬を押さえていると、曹操に庭園の一角での茶席に招かれた。
 まさか温徳殿で、茶の席に立ち会えるとは……

「……貴女のおかげよ。感謝するわ」
「ふえっ!? えっと……」

 突然、曹操に頭を下げられた。
 一体どういうことなのか。

「あの劉虞の遺産よ。あれを返上してくれなければ、我が領地は大変なことになるところだった。ほんとうに感謝するわ」
「…………よくわからないけど、私はただ、元より陛下のものをお返ししただけだ。それを陛下がどうするかは、私が口を挟むことではないだろう?」

 正直、曹操に感謝されるほどのものじゃない。
 むしろ、曹操にこちらが感謝しているのだから。

「それでもよ。おかげで?州は救われたわ。本当に感謝しているのよ」
「……困ったな。私こそ貴方に感謝しているというのに」
「え?」
「北平を救ってくれたこと。私は今でも感謝しているよ、曹孟徳殿」
「…………そう」

 曹操は、下げていた頭を上げ、くすりと笑った。
 それに釣られて、私も破顔する。

「ならお互いに貸し借りなし、ということかしら?」
「ああ。別にこんなことで貸しだなんだと言うつもりはないさ。困ったときはお互い様、それでいいじゃないか」
「……なんか、貴女って(おとこ)らしいわね」
「そうかな?」
「そうよ?」

 互いにおどけて笑う。
 曹操とはそんなに接点がなかったけど、実は結構いいやつかもしれない。

 結局その日は、曹操に歓待されつつ帰路についた。




  ―― 荀ケ side ――




 あの悪夢のような日々は、今でも夢に見るわ。

 ?州全土に広めてしまった『じゃがいも』。
 それを回収するために邑々を回り続け、せっかく芽吹いた苗を焼き、土を掘り返して新たに種を蒔く。

 だが、季節がずれていたこともあり、やはり収穫は通常の半分程度。
 あの時ほど自分の迂闊さを呪ったことはないわ。

 華琳様が早急に対処しなかったら、本当に?州は多数の餓死者を出していたはず。
 けど、おかげで糧食が底をつき、しばらく
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