0話:オープニング
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露わになった壇上にマイクを持つ、妙齢の女性がいた。
黒く光るジャケットにスタイリッシュな黒い長ズボンが様になっていた。
壇の端には大きな黒い玉と、その近くにしゃがむ中学生ぐらいの少年がいた。
だがぼくは
この女を見た瞬間
戦慄して
動くことを忘れた。
「あっ・・・」
なんだあの女は!?
絶対、只者ではない―――。
「単刀直入に言うわ」
「皆さんにはこれから、」
「殺し合いをしてもらいます」
――――は?
「最後の一人になるまで終わりません」
・・・あちこちから大声が上がっている。隣のコナンくんも最初は絶句していたが、やがて女を強く糾弾し始めた。その目には強い怒りが宿っているのがわかる。
「ああそういえば、貴方達に着けさせてもらった首輪なんだけど、その説明をまだしていなかったわね」
言われて初めて気がついた。
確かに、首を触ってみると金属のような手触りが感じられる。コナンくんにも、首輪があった。周りの人の首にも注目してみたところ、どうやら全員に着いているようだった。
「じゃあ、そうね。そこの貴方。ちょっとこちらに上がってきてくれる?」
遠めでよく見えないが女が指を刺したのはどうやら、高校生ぐらいの男のようだった。
戸惑っていたのだろうかなかなか上がろうとしなかったが、しばらくすると壇上に男の姿が現れた。
同時に爆発音が響き、男の首から上は身体から落ちた。
「泰介!!」
誰かの声がした。
いや待て。まさか、この首輪は―――。
「その首輪は爆弾よ。無理に外そうとすれば今みたいに爆発するわ」
女が淡々と述べると、男が死んだことで上がった悲鳴は鳴り止んだ。
「それでは殺し合いのルールを説明するわ。
まず、今から貴方達を別の会場に転送します。その際にデイパックも一緒に送るわ。中には殺し合い会場の地図と食料、懐中電灯など必要最低限の物が入っているわ。ほかにもランダムで“支給品”が入っているから有効に使って頂戴。会場内の物も自由に使っていいわよ。
次に、放送に関してのこと。八時間ごとに死亡した者の名前を放送するわ。その時一緒に禁止エリア、つまり入ったら首輪が爆発する区域を放送します。とは言っても、禁止エリアになるのは放送から二時間経ってからだけど。
他の細かいルールはデイパックに入っている冊子に書いてあるわ」
ちなみに、と女は続ける。
「優勝者には、どんな願いも叶えられる権利を上げるわ。それでは皆さん、頑張ってね」
するとぼくの体に変化が起こった。
動かない。金縛りにでもあったかのように、姫ちゃんの曲絃糸に捕われたときの様に動かない。見ると、ぼくの身体はジジジと消えていく。
◆
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