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目を覚ます。
ぼくは自分の現状がいまいちよくわかっていないようだった。
まず第一に、ぼくは何故寝ていたのか判らない。また哀川さんの仕業かと真っ先に疑ったが、どうやら違うようだ。
周りにはぼくの他にも沢山倒れている。見渡す限り、百人以上という規模では無さそうだが、少ない人数というわけでもない。数十人位ぐらいが妥当だろうか。学生のような格好をした者、スーツを着た成人女性に、どう見ても子供としか思えない体躯の者まで。変わった格好をした人達も結構いる。中でもあの黄色いピエロのような男は目立つ。
このように沢山の人間が倒れていた。起き上がってる者もいるし、近くの人を起こして話しかけている者もいる。ともあれこの人数を拉致するのは哀川さんでも無理だと思うし、出来たとしてもする理由は考え付かない。
まあ、なかには人間じゃない奴もいるかもしれないけど。例えば人を殺す鬼とか。
「戯言だけどね」
「あのう、すみませんお兄さん」
「・・・・・・」
聞かれた。これはかなり恥ずかしい独り言を聞かれてしまった。青いジャケットにグレーの半ズボンを着た黒縁眼鏡の男の子に聞かれてしまった。しかし、この子どう見ても小学生ぐらいだよな。低学年の。
「え?戯言?」
「うん、恥ずかしいから復唱しなくていいよ。それで、何かな?」
「ここがどこか知りませんか?気付いたら倒れていて、他の起きている人達にも聞いているんだけどみんな知らないって言うんだ」
なかなかはっきりした声で話す。小さい子供とは思えないほど礼儀正しく、ぼくとは一回りほどの年齢差があるにもかかわらず物怖じしている様子もなかった。
「ごめん。ぼくにもわからないんだ。まあ気がついたらここに居たっていうのはぼくも同じだね」
ぼくは確か、昼寝してた。その前後の記憶があまりないが、少なくとも最近は変なのに関わった覚えはない。
「君、名前は?」
「コナンだよ。江戸川コナン」
「そうか、君のご両親はミステリファンなんだね」
あまり驚かないぼくに対し、少し意外そうな表情を見せるコナン君。まあ、確かに凄い名前だがぼくはその手の人名には慣れている。というか、ぼくの知り合いでまともな名前の人は哀川さんや秋春くんや志人くんぐらいだ。
戯言だけどね。
「ぼくのことははいーちゃん、いーたん、いの字、いのすけ、いーの、いっきー、いっくん、いーくん他にもいろいろあるから好きなように呼んでよ」
「へえ・・・」
うん、完全に引かれたようだ。
「じゃあ、いーさんで」
その時、いきなりキィィィィィンとノイズが走った。誰かがマイクを使って話し始めたようだ。
「全員起きたようね」
思わず辺りを見渡す。確かに、もう寝ている人はもういなさそうだ。
次に声のする方向を見る。
明かりが点いて
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