第十三話 向日葵の紹介その十五
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げられないけれどね」
「そうね」
「ああ、つまりはか」
菖蒲と菊のその話を聞いてだ、薊もすぐにわかった。
それでだ、強い顔で頷いて言うのだった。
「弓矢も同時にか」
「放っていいのよ」
「放てればか」
「問題は向日葵さんにそれが出来るか」
「そのことに気付いてか」
「それだけよ」
こう話しつつだ、菖蒲は向日葵の闘いを見守っていた。いざという時は助太刀する覚悟をしていたがそれは他の面々もだ。
向日葵と怪人は弓矢とムカデでの攻防を続けた、だが。
ここでだ、不意にだった。
向日葵は己の弓に矢を二本つがえた、そして。
その矢を同時に放った、するとだった。
一本目の弓矢が怪人が投げたムカデを爆発させてだ、二本目の矢は。
怪人の右胸を貫いた、これで怪人の動きが止まるとだった。
向日葵は今度は三本だった、三本の矢がだった。
それぞれ怪人の額、喉、心臓を貫いた。これでだった。
怪人は三つの急所を貫かれて勝負をつけた、それを見て向日葵は会心の笑顔で言った。
「私の勝ちね」
「矢は一本とは限らない、か」
「そうよ。上手に出来たわね」
「見事な腕だな」
矢は光だ、その光でだ。
怪人は三つの急所を貫かれていた、それで死が近付く中で言うのだった。
「負けだ」
「そのことを認めるのね」
「死ぬのではな」
敗北、それをというのだ。
「その他はない」
「そうね、じゃあ」
「さらばだ、言っておくがだ」
「知っていることは、よね」
「何もない、貴様達が聞きたいことはな」
こう言うのだった、その灰になろうとしている身体で。
「こちらも知らない」
「じゃあ仕方ないわね、これで」
「死なせてもらう」
こう言ってだ、怪人は完全に灰となり散って消えた。闘いに勝った向日葵は会心の笑みから人権な面持ちになり敵の死を見届けた。
第十三話 完
2014・4・9
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