第十三話 向日葵の紹介その十四
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「私達はこう呼んでるわ」
「怪人ね」
「そのままでしょ」
「ええ、確かにね」
その通りだとだ、菫も向日葵の説明に答えた。
「怪人って呼ぶに相応しいわね」
「この連中はね」
「それでこの怪人と」
「私達は戦ってるのよ、こうした力を使ってね」
向日葵は微笑み自分の手にだ、まずは。
弓矢を出した。そうして右手に己の力を宿らせて橙色に輝かせてみせてそのうえで菫に対して話したのだった。
「武器とね」
「それ、光かしら」
「これが私の力なの」
向日葵は微笑みのまま菫に話した。
「一人一人違う力があるの」
「私の力は」
「菖蒲ちゃんの話だと幻みたいね」
「幻を相手に見せて」
「そうして戦うみたいね」
「そのことはわかったわ」
菫は決して頭は悪くない、それでだった。
向日葵の説明をここまで聞いて全て理解した、それでこう言うのだった。
「力のことは」
「そう、よかったわ」
「ええ、ただね」
それでもだとだ、さらに言うのだった。
「そのことはわかっても」
「武器ね」
「私の武器は」
「菫ちゃんどの武器で戦いたいのかしら」
「私が手に持って戦いたい武器ね」
「それは何?」
「決まってるわ、薙刀よ」
使いたい武器は何かと問われるとだ、菫の返事は一つしかなかった。いつも部活で鍛錬を積んでいるこれだ。
「これしかないわ」
「薙刀なのね」
「そう、これよ」
これしかないというのだ。
「私としてはね」
「わかったわ、それじゃあね」
「ええ、その薙刀を出すには」
「願うことよ」
「薙刀を持ちたいって」
「そう思えばね」
それでだというのだ。
「菫ちゃんの手にそれが出るわ」
「じゃあ今から願ってみるわね」
菫は向日葵の言葉を受ける形でだった、そうして。
実際に薙刀を出したいと願った、するとその両手に。
薙刀、見事な銀色の刃を持つそれが出て来た。菫は自分が手にしているそれを見て確かな顔で微笑んで言った。
「これがあれば」
「勝てるわよね」
「ええ、じゃあね」
それならと言ってだった。
菫は馬の怪人と向かい合った、その怪人に言うことは。
「じゃあ私はね」
「わしと闘うか」
「そうしたいけれどいいかしら」
「相手は選ばない」
「女の子だったら誰でもいいのかしら」
「最初に消す相手は選ばない」
こうした意味でだ、相手を選ばないというのだ。
「まずは御前だな」
「そう言うのね」
「では死んでもらう」
極めて冷酷な口調でだ、怪人は菫に告げた。
「いいな」
「その言葉は聞かないけれどね」
菫は怪人の今の言葉は笑って返した、そうしてだった。
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