第二十八話
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
」
「そうでもないでしょ。鬼道の一族を本当に忌み嫌ってるのなんて、もう何十年も前じゃない」
「だとしても、まだ心の底から嫌ってるやつらはいるからな」
そんな奴らに知られたら、まず間違いなく俺が襲われる。
「そういうわけで、鬼道の一族は全滅したことになったんだよ」
「自由にしていられるのは?」
「後見人が光也で、俺に実力があったおかげで中々に自由にさせてもらってる。まあ、殺女のパートナーをする、って条件のもとだけど」
と、ここまでどうにか話してからリラックスをするためにお茶を一口飲み、ラッちゃんに視線を向ける。
とりあえず、納得はしてくれたようだ。うんうん、良かった。
「とりあえず、納得したわ。もう一度聞くけど、カズなのよね?」
「ああ。ラッちゃんの・・・伊達凉嵐の幼馴染、一輝ですよ」
「そう・・・・うん、結局はそれさえ分かればよかったのよ。本当に・・・」
そう言いながらうつむいたラッちゃんを見て、少し心が痛むのを感じて・・・
「うん、とりあえず一発殴らせて」
「いや、わけが分からん」
謎すぎる発言をしてきた。
それどころか、立ち上がって逃げ出した俺を追いかけ始める。
「アンタねぇ・・・!人がどれだけ・・・!」
「待て!その先を言われないと俺には何にも分からん!」
殴られたくないのでわりと本気で逃げていたのだが、まあそこはさすがイタチ。
脚の速さではなくその技術で追いつかれ、床に押し倒された。
「イッツ・・・なあ、ラッちゃん、」
「人が、どんだけ・・・」
・・・ああ、うん。
またやっちまったみたいだな、俺は。
「人がどんだけ、心配したと」
「・・・ゴメン」
いつもいつも、俺が何かすると心配して、こんな顔をしてたなぁ・・・
そう、ラッちゃんの泣き顔を少し懐かしく感じて、同時に心苦しく思ってから・・・
そのころと同じように胸を貸して、ぽかぽかと殴られるのを受け入れながらそっと抱き締めた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ