終戦…そして案の定
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さんは色んな意味で寂しいですからねぇ」
まだ熱があるのかと疑いそうになりつつ、少しの希望を抱きながら、自室を出て玄関へと向かう
ドアノブへと手を掛けるが、その瞬間謎の悪寒に襲われる
俺はまさかな……と思いつつ、ドアノブを捻り開ける
「……深r」
「スイマセンお引き取り願います」
俺はただ一言そう言ってドアを閉めた
そして一瞬にして断崖絶壁の窮地に立たされたような感覚に襲われた
「……深羅、開けて。中に入れない」
俺は恐る恐るドアを僅かに開き、声の主を再確認する
「……本日はどのようなお話で?拷問ですか?それとも拷問ですか?まさか拷問ですか?」
「……違う、深羅が風邪引いたって聞いて看病しに来た……ちょっとショック」
「そ、そうだったのか……あー、その、スマンかった翔子」
俺が翔子と呼んだ人物は小さい頃からの幼馴染みで、Aクラス代表でもある霧島翔子
学業優秀、成績トップ、容姿端麗、清楚可憐、コイツに当てはまる褒め言葉を挙げればこのような感じだろう
記憶した物は二度と忘れない、と言う某天才軍師と同じ性質を持つ、ある意味超人である
ここまで聞けば完璧超人とも思われるが、ところがどっこい
何を血迷ったのか俺こと、東條深羅に惚れているなどと冗談はヨシ子さん級の事を言っている
気持ちはまぁ、嬉しいのは確かだ。しかし、俺のようなカッコ悪ぃ上に観察処分者、それに不良っぽくて性格悪い奴よりいい男が居ると思う、決して謙遜なんぞ微塵もない。底から思うから俺はその気持ちを受け取れない
「風邪なのに、寝てなきゃ駄目……」
「明日には行ける状態だから大丈夫だっての」
「駄目、病気は何でも治りかけが一番怖いって言う」
むぅ、正論な為反論が出来ぬ
「だから、部屋に戻ってて…キッチン借りるから」
「お、おう……」
翔子に言われるまま、部屋に戻りベットに入る
……何だかいままで浮気だとかでスタンガンとかアイアンクローとか拷問のような仕打ちを受けてきたのに、急に今回になって嘘みたいに優しくなって……もう何か裏があるとかしか思えねぇ……
そんな被害妄想のような事を広げていると、いつの間にか翔子がおぼんに何やら器を乗せて立っていた
「何も食べてないと思ったから、うどん…作ってきた」
「おぉ助かる、ありがとうな」
確かにロクに作る気力も無いため、豆腐やら栄養ゼリーなどで飯を済ませる程度だったから、丁度良かった。
器と箸を受け取り、熱い出汁に浸かったうどんを口にする
「…………」
「……そんな見つめられると、逆に食いにくいんだが……」
「大丈夫、気にしないで食べて」
いや、気にするなと言われても気になるもんは気になるんだっての…
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