第一章
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では貴方の御名前は」
「ミノ・・・・・・タウロス?」
その白痴の如き言葉でまた述べた。
「そう言われていたような」
「そう、それが貴方の御名前です」
彼も言ってきた。
「それこそが」
「そうか。これが名前だったのか」
彼はここでわかったのだった。名前というものが実際にどういう意味を持つものなのかを。やはり本だけではとても実感が湧かなかったのだ。
「私の」
「左様です。そして貴方様も人間なのです」
ダイダロスは今度はこう言ってきたのだった。
「私と同じく」
「私は人間なのか?」
「世の中の者は違うと思っていますが人間です」
また語るダイダロスだった。
「貴方様は。紛れもなく」
「人間。私が」
「少し宜しいでしょうか」
ダイダロスの言葉の調子が少し変わってきた。
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