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Element Magic Trinity
星竜の巫女
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が重いぞ、妖精女王(ティターニア)の相手など!)

彼は気づいていない。
先ほどの自分の一言が、エルザを怒らせてしまったのだと。
そして―――――エルザが怒った時はとりあえず逃げるのが1番だという事を、彼は知らなかった。

(――――――――だが!)

斬られた腹から血が流れる。
が―――――それはムサシにとって、好都合だった。

「くく・・・」
「!」

笑い声が零れる。
エルザが怪訝そうな顔をした。

「何を笑っている」
「・・・いや、妖精女王(ティターニア)も、村正の真の力は知らないモノなのかと思ってな」
「真の・・・力だと?」

ムサシは頷く。
その手に握られているのは彼の愛刀、妖刀・村正。
刀を強く握りしめ、ムサシは口を開いた。




「“紅喰らい(べにぐらい)”」




ただ一言。
言うだけなら誰でも出来る、特に複雑な単語を使っている訳ではない言葉。
が、村正はその一言を待っていたかのように―――――紅い刀身を、輝かせる。

「なっ・・・」

目に映った光景を見て、エルザは言葉を失った。
正直にいって、信じられなかった。
こんなの―――――見た事なんてなかったし、こんな刀があると聞いた事すらない。

「そんな・・・」
「くくっ」

ムサシの笑い声が聞こえる。
見開いたエルザの目には、変わらず信じられない光景が映っていた。
それは―――――――







「刀が・・・()()()()()()()()!?」













「星竜に願う力だと?」
「肯定する」

こくり、とパラゴーネは頷いた。
が、そう言われてもイマイチぴんとこない。
星竜に願えるから何なんだ?と思ってしまう。
その考えを見透かしたように、パラゴーネは続ける。

「お前も解釈しているだろう。星竜シュテルロギアはこの世界を創造した。つまり、神に等しい存在」
「それは知ってる」

・・・といっても、今日聞かされたばかりなのだが。
大事な話をする時に走っているのは何となく気が引けて、2人は歩いている。
グレイのペースに合わせるように少し早歩きになりながら、パラゴーネは口を開いた。

「“星竜の巫女”は神に等しい存在に願い、その祈願が何であれ、全て叶えて貰える権利を所有する」

嫌な予感がした。
願っても叶わない事があるから、世界のバランスは取れている気がする。
だけど、そのバランスを簡単に崩してしまう存在がいる―――――星竜の巫女とは、そういうモノなのだろう。

「それって・・・」
「・・・否定したいが、肯定する」

グレイの言いたい事が
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