入り混じるは想いか欲か
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は儂くらいじゃな」
がっしと弓を掴み、祭は楽しそうに笑う。
「クク、久方ぶりに面白い戦が出来そうじゃ。張遼と夏候惇に言うておけ。右から順に櫓を潰すから張コウ、顔良、文醜を抑えろとな」
コキコキと首を鳴らし、彼女は大きく伸びをして、満面の笑顔で部隊へと歩いて行った。
「お〜っほっほっほっ! お〜っほっほっほっ!」
高らかに響く麗羽の声はまだ遠く。その方向を見据え、祭は目を細めて口を引き裂いた。
「今の内に精々笑ろうておけ。それを最後のバカ笑いにしてやるから、のう」
袁家は知らない。孫呉で最も古く、最も獰猛な宿将は、誰よりもお転婆娘にして雪蓮よりも戦好きである事を。その部隊がどれだけ多くの戦場を駆けぬけ、絆で繋がれたきたのかも。
しかし……彼女も知らなかった。
麗羽がバカでは無く、白馬の王と相対するに足るモノであったという事を。そして利九が雪蓮と相対している理由も。
魏呉同盟軍と両袁家軍が相対する戦場にて、彼女の優雅にして高貴な高笑いを容易に崩せる覇王は、まだ到着していなかった。
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