マクロスF
0669話
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正気か? 俺の言葉を聞いたオズマの目にそんな色が宿る。逆にジェフリーの方は、特に表情を動かさずに俺を見つめていた。
「違う世界、とは具体的にどういう事かな?」
「そのままの意味だ。この世界以外の存在。パラレルワールド、並行世界。その辺りの言葉なら聞き覚えがあるんじゃないか?」
そんな俺の疑問に、ベッドの横に座っている2人は落ち着いた様子で首を左右に振る。
……何?
確かマクロス7の敵でもあるプロトデビルンは異次元宇宙から来た精神生命体だった筈だ。そしてそのマクロス7の出来事が終了した後のこの時代なら知っててもおかしくは無いんだが……
「残念だが、異世界という話をそのまま信じる訳にはいかないな。何か証拠でもあるのかね?」
「俺がこの世界に転移してきた時の現象は証拠にならないか? そこにいるオズマの言動を見る限りでは、俺の転移方法はこの世界のフォールドとかいうのとは違うんだろう?」
自分の言動でこちらにヒントを与えたのが気に食わないのだろう。小さく眉を顰めるオズマ。
だがジェフリーはそんなオズマを気にした様子も無く、再び首を左右に振る。
「新型のフォールド装置を開発したと言われればそれまでの話だ」
「……なるほど」
「何か、他に異世界の者である証拠はあるかね?」
ジェフリーの言葉に、少し考えて頷く。
というよりも、異世界の証拠なんてのは幾らでもある。例えば一番手っ取り早いのは魔法だろう。マクロスはロボット物の世界だから、魔法の存在なんて無いのは確実だしな。他にも空間倉庫や、その中に入っているスライム。あるいは、俺が移動用に使っているソルプレッサなんかはVFに比べると性能的に微妙かも知れないが、ちょっと詳しい者が調べればこの世界――取りあえずマクロス世界と以後呼称する――の技術で開発された代物ではないのは明らかだろう。特に、ASRSだ。これに関してはステルス性という意味では恐らくVFよりも遥かに上の筈だ。……ちっ、こんな事ならニーズヘッグを魔法球の中に入れている時の予備として何かの機体を入れておくべきだったな。グロウセイヴァーは既に使える部品を抜き取られて使用不可能な状態だが、それでもガーリオン・カスタムなり、シャドウなりを入れておけばな。いや、過ぎた事を考えてもしょうがないし、まさか酔っ払って転移するとは思いもしなかったからな。今考えるべきはこれからの事だ。
異世界人だという最大の証拠は俺自身か。幼児、今の10代半ば、20代前半、そして混沌精霊の状態。これらに変身出来るのを見せ、更に物理攻撃が無効であるというのを教えれば嫌でも信じざるを得ないだろう。
だが、あまりに俺が人外の存在と認識されると協力態勢を取るのが難しくなるというのも事実だ。それを考えれば、程々の……やっぱり空間倉庫か無難か
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