もし君が生きていたなら
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「エリア……!おれと、その………これから二人きりで、サロニア観光……っ」
「エリア〜、女同士であたしとサロニア巡りしましょー!」
「 ────はい? わたしは、どちらでも構いませんよ」
水の巫女、エリアは急に誘って来たルーネスとレフィアに美しく眩しい笑顔を向ける。
……出会った当初は衰弱していたが、水のクリスタルの力を解放して地上世界の時が戻ってからの彼女の足取りは軽く、微笑みを絶やさない程に回復していた。
「こういう場合、あたしと行くべきなの! ルーネスなんかと二人きりになったら、この猿に何されるか分かったもんじゃないわっ」
「あ、レフィアさん……!?」
エリアは、半ば強引に手を引かれて行ってしまう。
「ウキーっ、何だよそれ!」
「 ────お前、猿だったのか」
「あのな〜イングズ、そこ真顔で突っ込まなくていいだろっ」
「あ……、僕は図書館で本読んでるから、何かあったら呼びに来てよ」
アルクゥは、ルーネスとイングズにそう云って別方向へ行く。
「 ────イングズ、あの二人………、エリアとレフィアの後付けるぞっ」
「私はそのような不謹慎な行為には付き合わん」
「いいから一緒に来い!……付けてんのバレないよーに、地味な色のフード付きマント着てくぞっ」
「はぁ………仕方ないな」
結局付き合わされるイングズはルーネスと二人、地味な旅人用のフード付きマントを羽織り、レフィアとエリアが行ったと思われる場所へそそくさと向かった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「 ────やっぱりエリアはただでさえ人目引くわね〜、さっきから男女問わず道行く人が振り向いてくるものっ」
「そうですか? わたしはレフィアさんが人目を引いていると思いますが………」
「ふふ、エリアったら自覚ないんだから……。そんなに綺麗でかわいいのに!」
「そうでしょうか……。かわいいのはレフィアさんですよ、スタイルも素敵ですし」
「あら、ありがとねっ!」
(いや、エリアの方が断然カワイイ!!)
( ………それをレフィア本人に云ってみたらどうだ、何が返って来るやら)
後を付けて来たルーネスとイングズ。
「ねぇ、エリア………そろそろあたしの事"さん付け"で呼ぶのやめない? あれからこうして、一緒に旅してるんだし………それに、女同士でしょっ?」
「そう……ですね。ではレフィア───しゃん。……ぁ」
「ごめん、無理に呼び捨てにしなくてもいいわ………」
(うは〜、エリアかあい〜♪ おれの事、"ルーネしゃん"とか呼んでほし〜〜!!)
( ────馬鹿だろ、お前)
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