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I want BRAVERY
36話
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ない。

???PiPiPiPiPi

「なんなんですか?いい加減にしてください」

『それはこっちのセリフ!今部屋の前にいるから』

(・・・ぇ)

 ふと扉を振り返る。
 そして、もう一度携帯に意識を戻すと、携帯は切れていた。

???コンコン

 扉をノックする音が聞こえ・・・ない。
 俺には何も聞こえない。

???コンコン

「すいませ〜ん。留守です〜」

???ガチャ

「ちょ、おい」

「彩く〜ん。会いたかったよ〜」

 俺に抱きついてくる先輩。
 もちろんそこは華麗に避けさせてもらう。

「ぶへっ」

 ベットに顔面からツッコム先輩。

「・・・あ、彩君の匂いだぁ。クンクン」

「うぉい!」

 先輩の襟を掴んで顔を上げさせる。

「彩君。彩君」

「・・・はぁ、なんなんです?」

「あのね・・・」

 その日、俺は人生で最も戦慄を感じた。

 まるで両親の死を聞いた、あの時の電話のようだった。
 世界の音が消え、まるで世界に自分ひとりだけが取り残された、そんな気分だった。

 何故、俺は扉を開けてしまったのか。

(※開けてません)

 何故、俺はそれを聞いてしまったのか。

 この時ほど後悔した時はない。
 今からでも戻れるのなら、俺は・・・

「好き。愛してる」






「好き。愛してる」

 いつか、言われるとは思ってた。
 というより今まで言ってなかった方が驚きだろう。

「彩君・・・だから、私と」

 この先輩とはできればそんなに関わりたくないと思ってた。

 何故か?

 原作メンバーと関われなくなるから?
 他の女の子と接しにくくなるから?

 違う。

 何かもっと根本的なところで彼女が嫌だった。

 多分それは俺でなくてもそう思ったことだろう。
 何か感じるのだ。

 彼女からは、そう明確な

「結婚して」

「・・・ぇ?結婚?」

「うん。本当はもっとロマンチックなシーンで、彩君から言って欲しかったんだけどね」

「待て待て」

「私・・・待ってるだけの女じゃないんだよ、って彩君にわかって欲しくて!」

「いやいや。意味わかんね」

「元々、私達は夫婦なんでけどね、やっぱりちゃんと籍入れて、形にしておきたくて」

「お帰りはアチラの扉からどうぞ」

 なんかおかしいよね?色々と。

 付き合う→結婚。

 これが正式ルートだろう?

「ガチで言ってるわけ?」

「うん」

「ぇ?普通に嫌なんだけど」

「・・・ぇ?」

「え?」

「え?」

「ナニソレコワイ」


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