顔寄せ
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ある。運営本部には日戦連関係者と陸上自衛隊からの派遣要員、日本対連関係者、対戦車道部の顧問と連絡役が詰めている。
「大洗女子か。お蔭で練習日程考え直さなければいけなくなったよ。優秀な指揮官だよね、彼女。西住の血なんだろうね。」
「お察しします。まあ、姉は優秀な次期家元、妹は優秀な戦術指揮官。といったところでしょうか。」
そんなところだろうね。と言いつつ本郷は書類をめくっていった。
「決勝戦には全員で行くとして、直接支援になるから装備はもちろん、足も必要だね。後、食事については向こうで用意してくれるんだね。」
「そうです、日戦連で用意してくれます。おやつは持っていきましょう。それと賀谷先生から、鉄道輸送の手配はするから人員と機材をリストアップしたものを出来るだけ早く寄越して欲しいとのことでした。」
「うん、まあ今日の部活はここで会議だね。色々とやらなければならないことが増えてしまったな。ああ、再来週開かれる決勝戦支援関係者の事前会合、先生と僕は出席するにしても、あと一人二年生を連れて行きたい。」
「それなら、第二小隊の京僧さんが良いでしょう。」
椎名は即答した。藍蒼館高校挺進部は蔵比山高校空挺部の様な大所帯ではない為、第一小隊を部長の本郷が率直し、第二小隊は二年生の京僧篤が小隊長を務めていた。その他は本部要員が数名といった規模であった。そしてその第二小隊の小隊長を務める京僧篤はかなり優秀な男であった。
「まあそうだろうね。しかし、らしいといえばらしいが君は自薦しないね。」
そう本郷が苦笑しながら聞くと椎名は困った笑みを浮かべながら
「私は人を率いて何かするということにあまり向いていませんから。」
と答えた。もっとも小隊指揮が出来ない訳ではない。人望が無い訳でもないが情報収集、情報分析、といった情報参謀役を彼は務めていた。
二人して笑みを浮かべた。
本郷は珈琲を一口飲み、窓の外を眺めつつ言った。
「なかなか思い通りにはいかないね。」
「こればっかりは。ですが決勝戦での直接支援は良い経験になると思います。」
「支援要請のことじゃないよ、要は格好の問題さ。」
不思議そうな顔をした椎名に本郷はにやりとして答えた。
「これだけ舞台が揃っているんだ。扉を開けて書類を持って来てくれるのは眼鏡の似合う黒髪の美少女でもいいだろうに、そう思ったんだよ。」
「賀谷先生、宜しいですか?」
「ああ、始めてくれ。」
顧問の賀谷から了承を得た本郷が部員たちを見回す。
「さて、今日みんなに集まってもらったのは他でもない。本日、我が挺進部に日戦連から戦車道全国大会決勝戦への支援要請があった。今日はこれについて打ち合わせを行う。それでは説明を、副長。」
脇に座っていた椎名が前へ進み出る。ホワイトボードに日程などを書
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