暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア/K
EPISODE21 笑顔
[1/6]

[8]前話 [1] 最後

〜AM 10:00 特異災害対策機動部二課〜


先日の一件から一夜明けた朝。雄樹は二課にて響のことを聞いて肩を落とす。弦十郎の話によれば先日の暴走のことでかなり落ちこんでいるとのこと。行って励ましてあげたいが親友の未来でさえ取り合ってはくれないと翼から聞かされどうしようもない状況となっている。未来がダメなら自分が行ったところでは目に見えている。何もできない自分がもどかしいが、今は時の流れに頼るしかない。


「・・・・雄樹さんでも手におえないこと、あるんですね」


がっくりとして出て行く雄樹の後姿を見送りながら翼が呟く。その声色はどこか明るいものだった。


「なんだか嬉しそうだな?」


不謹慎だった。心の中で彼に謝罪しながらもこぼれる笑みを抑えようとはしない辺り彼女には大きな変化があったかもしれないと緒川を含めた二課のスタッフは思う。これがいい傾向なのかどうかはまだ確信するところではないが、それでもいい方向であってほしいと思う。

ともあれ、彼女のこういった雰囲気は珍しい。それが喜ぶべきところではないのが少々ひねくれている気もするがこれはこれでいいのかもしれない。


「あの人も人間なんだなって」


続けられた言葉から翼が雄樹のことをどう思っていたのかが分かる、そんな一言だった。


「誰でも笑顔にしちゃうような人だから、てっきり何かしらの妖術でも使っているのかと」

「翼、さすがにそれは酷くないか?」

「そうですか?」


少なくとも自分と同じ考えの人はいるはずと疑わないあたり性質が悪いかもしれない。


でも、


「この世に完璧な人間なんていないさ。みんな悩んで成長していく・・・・そういうものさ」


どこか自分も経験しているかのような口ぶりに翼は首をかしげる。それを見て弦十郎はニッと笑い翼の頭を荒く撫でる。その姿は二課の司令としてではなく一人の叔父としての男の姿があった。













〜AM 11:00 公園〜

「はぁ・・・・」

「雄樹さんが落ち込んでる・・・・だと・・・・!?」

「俺未来ちゃんのキャラが時々わからなくなるんだけど」

「それは多分まだまだ雄樹さんが子供だってことですよ」

「俺、一応年上なんだけどなぁ・・・・」


中身のない会話をしながら休日の公園でベンチに腰掛ける雄樹と未来の二人。この組み合わせが非常に珍しく見えるのは響が間にいないからだろう。なにか物足りない感じがするのは本人たちも感じることである。


「響もそですけど、雄樹さんまで悩んでるなんてホント何があったんですか?」

「話せば長くなるんだけど」

「あそこのクレープが食べたいです
[8]前話 [1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ