EPISODE20 装甲
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完全聖遺物とは厄介なもので一度発動すればその力を破壊か機能が停止するまでその猛威を振るい続ける物もある。なかでも今回の代物であるデュランダルはとんでもない物だったようだど弦十郎は見る。現場より送られてくる映像はまさに圧巻の一言だった。
発動したデュランダルに取り込まれ破壊の限りを尽くす響。その姿は黒く染まり瞳は悪魔のごとく真っ赤に光りつい数時間前までの優しい少女の姿は欠片もなくただ獣のように暴れまわっている姿がある。
その姿に、雄樹はただ唖然とする。あの優しかった響が、笑顔の絶えなかった女の子が今破壊の限りを尽くしている。
『やめろ……』
――――ユウ兄!
『やめろォォォォォォォォォォォォ!!』
弾かれたように飛び出して響を後ろから押さえる。
『ダメだ響ちゃん!こんなこと、しちゃいけない!』
男の、しかもクウガに変身しているにも関わらずかなりの力で振り回されそうになる。それをしっかり足を踏ん張ってこらえるが、それでも響の暴走を止められない。その時、響の暴走の矛先がクリスへと向けられる。もの凄いスピードで肉迫し、デュランダルを振りかざす響。それに雄樹は青に変わりクリスを抱えて飛び退く。助けられたことに困惑するクリスだが雄樹のサムズアップに安心感を覚えたのか何も言わずにその場に座る。
『ごめん。ホントはお話したいけど、また今度!』
暴れまわる響のもとへと向かおうとする雄樹だが、その手を引かれて動きを止める。右手を掴まれて後ろを振り向くとクリスがわずかに震えていた。俯き、小刻みにガタガタと肩を震えさせている。気丈なまでの振る舞いと言葉づかいから考えれば想像もつかないものだった。
「・・・・そんなにヒーローになりたいんかよ?そんなに死にたいんかよ!?」
震える声を必死に絞り出して雄樹を見上げる。その目じりには――――涙が浮かんでいた。
『・・・・違うよ。俺はただ、俺にできることをしたいだけ。誰にも傷ついてほしくないし、傷つけてほしくない』
「そんな綺麗ごとで・・・・!」
『綺麗ごとだよ。だって綺麗ごとが一番いいんだもん、だから現実にしたいんじゃない。・・・・・こんなことの為に、もう誰かの涙は見たくないから』
空いてる方の手でサムズアップしてそっとてを離す。その際『今度会ったらちゃんとお話ししよう。君がどうして戦うのか、そういうことも含めてきけたらいいな』と明るく優しい声で返すと跳躍して響の相手をする翼に加勢する。その際紫に変わり翼から剣を借りて自らの得物にする。あの強力な火力を受け止めるにはこの姿が一番適しているからだ。
方法としては二つ。一つはデュランダルを破壊、もう一つはガングニールだけでも強制解除させること。
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