暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア/K
EPISODE17 再会
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
雄樹がそんな風になっているとは想像もつかない。いつでもどんな時でも笑顔を忘れなかっただけにその驚きは大きかった。

 だからこそ今ならよくわかる。あの笑顔の裏に隠された悲しみや絶望。

極端に人の涙や笑顔に反応するのはその為。もう誰にも自分と同じ物を味わってほしくない。もしそれが他の存在によって脅かされるのなら戦うことをためらわない。たとえそれで自分一人が傷つくことになろうとも、誰かを笑顔にしたい。そう信じ、疑わないからこそ彼は強い。決して曲げず、俯かない。たとえ、どんな時でも。彼が“怒ったところすら見たことがない”二人にとってそれはとても衝撃的なことだった。


「・・・・やっぱり封鎖されちゃってたか」


いつの間にか校門前まで来ていたことに気づく。比較的新しい作りのような気もするがノイズの被害で今は廃校。すっかり生徒も減り廃校にならざるを得ない状況になってしまった。

時計を見て時間を確認するみゆきを見てタイムリミットが近いことを悟る。


「あの、入りませんか?中に」

「へ?ちょ、響!?」

「待ってればきっと来ますよ。それに未来も言ってたじゃん。ユウ兄を信じて裏切られたことないって。それは私も同じ。しかもこんな綺麗でかわいい先生と約束して来ないユウ兄じゃないって」


フェンスを強引にどけて中へと入る。それに続いて未来とみゆきも中へと入っていった。








〜PM 15:00 港〜


包囲網の敷かれたその場所で雄樹は静かに対象の出現を待つ。ビートチェイサーから聞こえてくる報告に逐一耳を染ませながら、目を閉じそのときを待つ。翼はキメラを発見し作戦通り追い込んでくれている。あとは、自分次第。

静かに目を開ける。それと同時にキメラが海中から姿を現し、陸地へと躍り出た。水上スキーから跳び、翼も所定の位置で待機する。


「変身!」


雄樹を確認したキメラが黒い弾を変身と同時に放つ。直撃したかと誰もが息をのむが、すぐに現れた姿にほっと息をつく。紫の鎧に身をつつんだクウガが、そこに立っていた。ハンドル型の起動キーであるトライアクセラ―を引き抜き、構える。それが手首のリングがキラリと光り、エネルギーが包み剣へと変える。

そしてゆっくり、ゆっくりと歩く。その最中、幾度となくキメラは黒い弾を吐くもまるで効果はない。キメラにもし理性や感情というものがあったならこの光景はまさに恐怖だろう。自分の一切の技が効かず、しかもこちらに向かってゆっくり歩いてくるのだから。逃げ出そうにも後方には翼がいる。

キメラに、逃げ場はなかった。悪あがきで黒い弾を吐くも片腕でそれを防がれ、叫びと共に雄樹は剣を突き刺す。あれだけ固かったキメラの皮膚もその攻撃になすすべなく難なくそれを
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ