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戦姫絶唱シンフォギア/K
EPISODE16 恩師
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「雄樹さん、今来るって」


電話を切ってポケットにしまうと隣でクレープを食べている響に声をかける。口をもごもごさせながら「うーい」という響に苦笑しつつ頬についたクリームをハンカチでとる。さながら姉妹のようにも見えるが・・・・見る人から見たら“夫婦”に見えるのだろう。本人たちからしてみればこれが当たり前のことなのでそんなつもりは一切ないが。


「ユウ兄、そういえば今日先生に会うらしいよ」

「先生?誰?」

「ホラ、ユウ兄の中学の時の担任の先生だよ。ピンク色の髪の眼鏡かけてた」


そこまで言われて未来が「ああ、」と頷く。名前を言おうと口を開いた瞬間に響がクレープを未来の口に放り込む。最初はムッとした未来だがクレープのおいしさに何も言えずにただ食べる。「おいしい?」という響に照れながらもおいしいと頷く。こういうところがあるから未来はかわいいと響は満足そうに最後の一口を口に放り込んだ。


「ところでさ、今日はなにするの?」

「あ、うん。雄樹さんが帰ってきてから三人で出かける機会なかったじゃない?だから久しぶりに三人でどこか行けたらなって思って。だから得にプランとかは決めてないんだ」

「そか。・・・・あ、じゃあ水族館行かない?」

「最近できたとこだっけ。いいね、行こう!」

「うん!」


なんでもない会話、なんでもない普通の休日。ノイズとの戦いの日々で忘れそうになっていたけど、これが本来の私の日常なんだ。未来がいて、そこに遅れてユウ兄が来て。小さい頃と変わらない、いつまでも色褪せない思い出達と一緒でキラキラした温かいもの。

そんな、普通の時間。さて、今日はどんな一日にしよう。












〜AM 10:30 都内〜

バイクを走らせながら雄樹はにやけそうになる顔を必死に抑える。ヘルメットをつけているからわからないが、取ったらまず引かれるのは目に見えている。少なくとも未来には白い眼で見られること間違いない。なのでこれは最悪他人に見られてもあの二人だけには絶対に見られたくない。よって今雄樹はヘルメットの中で百面相している。

 懐かしの、しかも恩師に会える。それだけでここまでうれしくてテンションをあげるのだ、この五代雄樹という男は。

だが、こういいことがある日は決まって邪魔が入ったりする。そんな時彼はどうするか。答えは一つ。

 約束の時間に間に合うよう、それを片づける!

幸い会うのは午後、夕方あたりだ。突如入ったノイズ出現の知らせにも迅速で対応すればなんとか時間に間に合う。あとはそこからの運次第。こういう時、手紙ではなくてメールアドレスを聞いておけばよかったと後悔する雄樹であった。ともあれ、ノイズが現れとならば急
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