暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア/K
EPISODE15 射手
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響が素早く翼を回収し、それを見とった雄樹が緑から赤へと変わる。まだキメラに動きがある。

 数歩後退し、構える。足にエネルギーが伝わるのを感じて、走り出す。跳躍して回転、そして――――蹴りを打ち出す。


『オリャァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!』


キックが起き上がったキメラの巨体に直撃。当たった場所から封印エネルギーが身体全体へと伝わり、灰と化す。さながら砂山のように崩れ去るノイズを看取った後、少しして歓声が上がった。


「ユウ兄ィ〜!」


感極まった響が雄樹に抱きつく。目に涙を浮かべながら笑う彼女からはやっぱりなんだかんだで目めちゃくちゃ心配してたんだなとその本心が窺える。


「よかったぁ、よかったよォ・・・・」

『アハハハ・・・・ごめん、でももう大丈夫!』


サムズアップする雄樹に響も返す。それでも泣きじゃぐる響の頭を撫でて慰めながら、雄樹は翼を見る。


「・・・・」


言葉をはっすることなく踵を返す翼の背中に雄樹はありがとうと意味を込めてサムズアップすると、翼もそれが伝わったのかそうでないのか、背中ごしにサムズアップする。


――――もう、こんな心配はかけさせないでください。

そんな心の声を聞きながら、


『・・・・ありがとう』


そう一言去りゆく背中に呟いた。
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