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戦姫絶唱シンフォギア/K
EPISODE15 射手
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処を任せてきた。あちらさんも必死らしいな」


そこは大人の事情かと響は聞き流す。自分には考えたところでわかりはしない、真に覚えることはただ一つ。やるべきことだ。


「さて、キメラの位置、及び射程は二人も知っての通りかなり厄介だ。そこでコレを撃破するために翼には少しキツイポジションを担当してもらう」

「はい」

「天羽々斬を装着後直ぐにエネルギーの充填を開始。その際翼には一切のアクションも許されていない。つまり――――」

「無防備になってる翼さんの護衛が私の役目、ですよね“師匠”」

「うむ。わかっているな」


師匠――――いつのまにそんな風になったのかと首をかしげるが、つい最近響が自分の家に出入りし何かやっているのを思い出した。朝早くからどこかに出かけては夕方あたりにボロボロで帰ってくることが常だった。彼女も彼女なりに強くなろうといていることに内心感心する。


「それじゃ、早速やるぞ。配置に着け」


了解、と一言返してトレーラーから出て行く。その背中をみながら弦十郎はかつての友人に想いを馳せる。


「…結局俺達大人は無力だな。こんな姿を見たら、お前はどう思う・・・雄介・・・・?」


その呟きが、聞こえることはなかった。

 そして作戦は動き出す。静寂を保っていた現場が慌ただしさを増してにぎやかになる。キメラの射程ギリギリの場所に翼は大刀を構えて既にエネルギーのチャージに入る。そしてその傍らにはガングニールを纏った響の姿と。万が一と言うことに備え常人よりも戦闘能力の高い緒川が拳銃を手に待機している。二人に見守られながら剣を構える翼。据えた瞳の先に捉えるは・・・・ただ一店のみ。了子が苦労して指示したキメラの滞空ポイント。その一帯に蒼ノ一閃を撃ちこむ。限定解除の為使用回数はたったの二回。失敗は――――しない。いや、ありえない。これほどの人たちが頑張って、危険を冒して命がけの作戦。今自分にはここに居る全ての命がかかっている。全ては、翼の一振りに委ねられた。

手の震えがない。不思議なことにこの緊張感が心地いいとさえ感じる。頭でも狂ったのだろうか。

・・・・いや、本当に狂っているのかもしれない。こんなことで笑みがこぼれるなど不謹慎極まりない
。あとでメディカルチェックを受けよう。


《ターゲットにエネルギーの収束を確認!》


通信ごしに藤尭の報告が聞こえる。これは――――チャンス。

場所がわからない以上、一帯に放つ分エネルギーの消費も激しい。だが今は夜。何かが空中で光ればそこに奴がいると断定できる。空には星と月の明かりのみ。今はライトもその光を自重しているぶんそれはかなり目立つ。

よってこれは翼にとっては好機となる。


「待ち焦がれたぞ、この
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