第百七話 決戦の前にその一
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久遠の神話
第百七話 決戦の前に
遂にだ、上城に声が告げてきた。彼は丁度部活を終えて樹里と共に帰宅しているところだった。その彼に声が言ってきたのだ。
「三日後に」
「最後の戦いですね」
「はい、場は用意しています」
声は上城に対して告げていった。
「それもまた」
「それは何処ですか?」
「面白い場所を見つけました」
その最後の戦いの、と言う声だった。
「そこで闘ってもらいます」
「それは何処ですか?」
「闘技場です」
「八条学園の、ですか」
「はい、グラウンドがありますね」
「八条学園の総合グラウンドですね」
「あそこがです」
闘技場になるというのだ。
「貴方達の最後の戦いの場となります」
「あそこですか」
八条大学の構内にあるアーチ状のコロシアムを思わせる造りのグラウンドである。本来は陸上競技で使われる場所だが実際に格闘技の試合も行われている。
そのだ、グラウンドでというのだ。
「コロシアムと同じだからですか」
「そうです、闘技場は元々オリンピックで使われていましたが」
「それが、ですね」
「はい、オリンピックはスポーツをするものですが」
「スポーツとは何か、ですか」
「本来は戦いの為に身体を鍛える為のものでした」
スパルタからはじまっていると言われている。スポーツの語源はスパルタの国の名前に由来しているとも呼ばれている。
「ですから」
「そこで最後の戦いですか」
「そうしてもらいます、いいですね」
「はい」
上城は異論なく声に対して答えた。
「僕は別に」
「そうですか、それでは」
「それで詳しい時間は」
「夜です」
まずはこう返した声だった。
「夜に来てもらいます」
「夜ですか」
「夜の十二時にです」
まさにその時にだというのだ。
「来てもらいます、そしてその時間にです」
「戦うのですね、あの人と」
「後で魔の剣士にも伝えます」
加藤、彼にもだというのだ。
「そして彼も頷けば」
「それで決まりですね」
「そうなります」
まさに、というのだ。
「三日後に」
「その時に全てが終わりますね」
上城は己の決意もここで述べた。
「剣士の戦いも」
「いえ、それは」
だが、だった。声はその上城に対して反論する様に言ったのだった。
「わかりません」
「力が集まらないとですか」
「そうです、貴方達はまだ戦うことになります」
「次の人生でまた、ですか」
「その時は」
「全ては集まる力次第だというのですね」
「そうです」
その通りだというのだ。
「私は止めません」
「そう言われますか、しかし」
「しかしですか」
「僕はもうこう
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