EPISODE11 能力
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これはノイズに対抗できる力の一旦としてあるが、クウガの場合それが存在しない。アマダムから伸びた神経が直接それと同等の力を放っているためにフィールドは存在せず、ダメージを受けた際の衝撃はかなりのものとなるだろう」
故に、対聖遺物の聖遺物としてある。ノイズへの対抗はあくまでもオマケであり、本来の目的は悪用された聖遺物に対しての対抗策として用いられていたということになる。いくら聖遺物の欠片といえど、悪用だれたりされない可能性がないとも言いきれないからだ。そのことを踏まえ、古代の人間たちはこれを作ったのだろう・・・・というのが、了子と弦十郎がだしたもっとも答えに近い推論。
暴走した力を抑制、あるいは消滅させるのもまた同じ力、というわけだ。
「着ければ計り知れないほどの力を、しかし代償として戦う宿命を背負うことになる・・・・この部分だけは私達と同じということか」
彼もまた、防人の運命を背負った者。望む望まないに関わらず一度手にしてしまったら二度と戻れぬ修羅の道。
「・・・・本人にはかいつまんでちょっとだけ説明してあるわ」
了子の言葉に響は引っかかりを覚える。かいつまんで、ということはごく一部のことしか説明されていないということ。つまり、この詳細を雄樹本人は知らない。
「なんで教えないんですか?こんな大事なこと!」
「・・・・彼の力は我々にとっても必要不可欠なものだ。コレを話して戦わないと言われれば強制的にやらざるを得なくなるからだ。すでにこれは各国政府にも通達されている。そうなれば――――」
「本人の意志に関わらず、コレを利用しようとする人間が出てくる。特に米国政府は黒い噂が絶えないと聞くからな」
「もし雄樹君がこの事を知って、戦うことを拒絶した場合。本人の意志を無視して強行手段をとる機関がでてくるってことよ。あなた達の戦闘記録とかは他の特異災害対策機関と共有しているから、それを見て利用しない人間もいないとは限らないのよ。・・・・あなた達子どもを守るのも、私達大人の役目ってこと」
それでも、と響は思う。大切な事実を知らされないままに戦うなんて、酷なことこの上ない。ましてや装着者本人がそれを知らないというのはいかがなものか。
でも、知らないほうがいいというのもあるのかもしれない。知らない方が迷いはない。
知らないという罪と、知りすぎる罠。はたしてどっちがいいのだろうか。難しいことを考えるのは得意ではないが、こういうことは考えてしまう。
「・・・・ま、今すぐ何かしらの危険があって、雄樹君がどうにかなっちゃうってわけじゃないから安心して」
了子が努めて明るく振る舞う。暗い流れを断ち切るように手をパン、と鳴らし、話を切る。
「そういえば雄樹
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