EPISODE10 青龍
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ァ!!!!」
けたましい二つの咆哮、聞こえたと思った直後に目の前に現れる二つの影がミサイルを全て撃ち落とすのが見えた。巻き上がる煙を剣を振るうことで薙ぎ、そのシルエットが月明かりに照らされる。
青とオレンジの二色。風鳴 翼と立花 響の二人だ。
「おまたせユウ兄!助っ人響参上!」
『た…助かったぁ〜・・・・死ぬかと思ったよ』
「その割にはそう見えませんけど」
『…信じてたから。二人なら、きっと来てくれるって』
並ぶ雄樹の言葉に翼は小さく笑う。それを見て雄樹もまた笑う。どうやらうまくいったらしい。
「テメーら・・・・よくも・・・・!」
『翼ちゃん、相手はあのネフシュタンだけど…行ける?』
「当然です。私は・・・・もう、大丈夫ですから」
『・・・・そっか』
再び安堵の息を漏らす。やっぱり響にまかせてよかったと呟いてから、その響から「そうだ!」と声があがる。
「了子さんからの伝言。邪悪なる者あらば その技を無に帰し 流水の如く邪悪を薙ぎ払う戦士あり、だって」
『・・・・えっと、どういう意味?』
「さっぱりわかりません!」
サムズアップ。使いどころ間違えてるような気もするがここはスルーしよう。
「さっきっからあたしのこと無視してんじゃねー!」
「すまんな。これがこの二人の空気感だ。どうすることもできん」
「おまえは至ってまともなんだな」
「こういうのが増えるというのはどうも、な。それに、私にはやるべきことがある・・・・」
静かに剣を構える翼。しかしネフシュタンは翼のことなど眼中にないようで真っ先に鞭で雄樹を攻撃し、あっという間に孤立させる。
「おまえらに用はねぇ。アタシが用あんのはアイツだけだ!」
杖からノイズを放ち二人を抑えて雄樹の方へと向かう。追撃しようとするも行く手をノイズに阻まれて身動きが取れない。毒づく翼に響が背中合わせになる。
「翼さん…」
「・・・・飛ぶぞ立花。今は私とおまえでツヴァイウィングだ!」
「ハイ!!」
同時に踏み出し、歌を奏でる。それは天高く昇り、夜の公園に響く。翼を得た雛鳥はその身を軽やかに躍らせ、闇を無に帰す。その身を逆光で照らし背に纏うはまだ幼きフリューゲル。しかし力強く耳に聴こえてくるその歌には――――たしかな“血”が通っていた。
『すごい・・・・凄い!』
興奮にテンションを上げる雄樹。あのツヴァイウィングがまた見れるとだけあって戦いの中であることをすっかり忘れてその歌声に聴き入る。
「だから無視ぬんなー!」
鞭による攻撃を回避し、ネフシュタンと対峙する。曲にテンションをあげている
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