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万華鏡
第七十八話 バレンタインデーその十一
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「真面目にやるのよ」
「それもですね」
「そう、出るからにはね」
 尚マラソン大会は全員参加だ、運動会等と同じく。
「うちのマラソン大会は仮装して出てもいいから」
「仮装もって」
「受け狙いもありってことよ」
 そうしたこともいいというのだ。
「うちの大会はね」
「何かそれ凄いですね」
「八条学園だからね」
「そういうことですね」
「この学園は自由度が高いから」
 他の学園に比べてだ、制服も何十種類もあるしそうしたこともいいのだ。確かに自由度はかなり高い学園である。
「それもいいから。楽しんでもいいから」
「仮装で」
「何ならゆるキャラにもなれるわよ」
「あっ、運動会の時みたいに」
「そう、あの時みたいにね」
 運動会の部対抗リレーの時の様にというのだ。
「そうしてもいいから」
「ううん、じゃあとにかく」
「楽しんでもいいでしょ」
「はい、それなら」
 こう話してだ、そしてだった。
 琴乃はバレンタインの後はマラソン大会に関心を向けることになった。少なくとも彼女の青春は充実したものだった。
 そのマラソン大会についてだ、琴乃は帰り道に四人に話した。
「ねえ、マラソンだけれど」
「ああ、それね」
「大会よね」
「そう、それね」
 こう話すのだった。
「何か仮装してもいいっていうけれど」
「仮装ねえ」
「それでもいいのね」
「仮装して遊びでしても」
「いいんだよな」
「そう、だからね」
 それでだというのだ。
「真面目にやってもいいし受け狙いでも」
「楽しめってことね」
「順番関係なく」
「どうしようかしら」
 そのどちらを選ぼうかというのだ。
「ゆるキャラになるなりしてね」
「まあそのことも考えていくか」
 五人のセンターにいる美優が言った。
「マラソン大会どうして楽しむのかも」
「まあ基本に忠実ならね」
 どうかとだ、彩夏は彼女が考えるその基本を話した。
「ジャージで真面目に走ることね」
「真面目になのね」
「そう、オーソドックスにいくのなら」
「完走目指すのね」
「それが一番でしょ」
 こう四人に話すのだった。
「あくまでオーソドックスならね」
「ううん、どうしようかしら」
「マラソンは確かにハードだけれど」
 長距離走だ、これがハードでない筈がない。身体の鍛錬にかなりいいことは確かだ。
「それでもオーソドックスな楽しみは」
「完走ね」
「そうなるでしょ」
 彩夏は琴乃にも話した。
「やっぱり」
「ううん、完走ね」
「そう、どうかしらね」
 こうしたことを話してだ、そしてだった。
 このことについては答えが出ないまま今は家に帰った、とりあえず今はマラソン大会はどうして楽しむおかはこれから考えることだった。


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