EPISODE5 日常
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
響にはオペレータの一人である同じ女性の友里あおいが、そして雄樹に同じくオペレータの藤尭朔也があてがわれる。おんなじ女性ということもあり響も話しやすいと弦十郎の配慮だ。・・・・本来は翼あたりに頼んでいたのだろうが「仕事がある」の一言で一閃されたに違いないと内心苦笑する。あの一見以来多少なりとも心を開いている叔父にたいしても最近は態度がつめたくなりあからさまに仲はよろしくない。雄樹にしろこの組織の人間にしろ最低限の会話はするがそれ以上のことは話さない。マネージャーの緒川でさえその程度なんだ、ほぼ仕事上の付き合いしかない自分たちにはなくて当たり前なのかもしれない。・・・・いや、仮にそうだとしてもダメだ。あんな表情、防人の運命を背負った身だとしてもあの歳の女の子がしていい顔じゃない。
今度会ったらちゃんと話をしよう。逃げられても、ちゃんと言葉を交わさないと。
・・・・ストーカーと言われない程度に。
♪
友里あおいを先頭に通路を歩きながら響は辺りをきょろきょろと見回す。初めてここに来た時は緊張と驚きのあまりじっくり見る暇もなかったが改めて見るとこんな場所が本当に学校の下にあっただけで驚だ。
と、そうだったと手を叩く。
「あの、ユウ兄――――、は前からここに居たんですか?」
愛称でもいいのかなと一瞬思考しここがアットホームな場所だったと思い出して言い直しはせずにそのまま続ける。
「ええ。以前は彼のお父さん、五代雄介さんもここにいたんだけど旅にでるって言って急にいなくなっちゃったのよ。で、その後に来たのが雄樹君ってわけ。元々司令と雄介さんの仲がよかったから彼もちょくちょくここに来てたみたい。で、大学で考古学専攻してた縁もあり櫻井教諭と知り合ってそれから二人してあっちこっちの国飛び回って見たり、急に「俺冒険行ってきます!」って一人で飛び出して行ったり、割とやってることはお父さんと変わらないわね。捕らわれないというかなんというか・・・・つかみどころがない人ね。あ、これ本人には内緒でお願いね?」
悪戯ぽっく笑うあおいに大人の女性としての魅力を感じつつ「はい」と返事をうつ。
「それで、ユウ兄のお父さんは今どこにいるんですか?私小さい頃会ったくらいで・・・・」
その質問に、あおいの顔が困ったような顔を浮かべたことに首をかしげた。なにかマズイことだったんだろうか。それとも冒険に行って連絡がつかないとかなのだろうか。
「・・・・雄樹君から聞いた方がいいんじゃないかな?手続きが終わったら案内するわ」
どことなく、淋しそうな感じがした。
♪
扉を開けると、そこは真っ暗な空間だった。声の反響の仕方からしておそ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ