EPISODE1 復活
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てくる。
そして、時は来た。
準備が終えてからおおよそ3分後。実験開始と同時に計器の波が一気に振れる。直後、ネフシュタンが輝きを放つ。慌ただしくなる室内に木霊する悲鳴にもにた声、まぶしいほどの光が視界を埋め、片手をあげて光を遮る雄樹。かろうじて見えるようになったと思った直後、システムがダウンした音と共に光が消え、代わりに――――爆発が起こる。特殊合金でできた壁を吹っ飛ばすほどの威力の爆発は機器を、人を飲み込んで横殴りに吹き荒れる。
何が起きたのか。状況把握をしようとあたりを見回すと、そこには“奴ら”がいた。認定特異災害――――ノイズ。触れたものを自身もろとも灰へと変える未知の生物。それが現れたのだ。
「五代君!」
「緒川さん!」
騒ぎは司令室まで届いているようで翼のマネージャー兼エージェントの緒川慎次が破壊された扉を潜って中に入ってくる。
「まだ生き残っている人たちをお願いします。俺は了子さんを担いで行くんで」
「わかりました。――――っ、後ろ!」
緒川の警告にさっと跳び退いて躱す。倒れた了子を緒川がかついでなんとか避難するも、雄樹は実験ルームの方に追いやられてしまった。ノイズに囲まれ逃げ場を失ってしまう雄樹。死を覚悟した彼の頭に、あの光景が再びよぎる。視線を動かすと、そこにはベルトが。
「・・・・・!」
ダッシュして台の上のベルトをつかむ。
「五代君、なにを!?」
「つけてみます!」
「・・・・ちょ、どういうことよこれ?!って、五代君あなたなにやってるの!?」
意識をもどした了子が叫ぶ。それに答える間もなく雄樹はベルトを腰に当てた。直後まばゆい光が空間全体を覆い、“ノイズの障壁を払った”。ベルトは、雄樹の体内へと消える。焼け付くような猛烈な痛みが身体を襲い、のた打ち回るように転がる。ノイズは・・・・まだ健在。
「このままじゃ、死ぬ・・・・!?」
迫りくノイズ。もはややけくそと言わんばかりに拳を繰り出すと、雄樹の手にふれたノイズが“灰となって消滅し、左手が白く変わっていた”。戸惑う雄樹、直感と勢いに身を任せ続けざまに拳を放つと、やがてそれが全身を覆う。
「これは・・・・」
「五代君が・・・・変わった・・・・?」
白いボディにオレンジの複眼。そこには五代雄樹の人間としての姿ではなくなっていた。
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