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ソードアート・オンライン リング・オブ・ハート
50:フラワー
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来のボクはきっと、恥ずかしがってまっすぐキミの顔を見て感謝の言葉を言えないと思うから。
 また「ありがとう」か、なんて思われるかもしれないんだけど……ホント、キミには感謝してるんだよ。ルビーやベリーの事。マーブルの事。事件の事。そして……ボクの事。キミは、キミが思ってる以上に、本当にボクの多くを救ってくれた。キミ達には何度言ったって、とてもとても足りないよ。
 けど……これでボクは再び歩き出せる。あとは、自分の力でなんとかできるところまで来れた。死神なんかじゃない、あったかい血の通った人として、また生きていける……。
 ねぇ、こんな……こんな奇跡ってあるのかなって、ボク、今でも思うんだ。ひょっとしたら、二匹のミストユニコーンに出会って心を許されるよりもずっと奇跡みたいな確率なんじゃないかな。ボクがキミに出会って、こんなに救ってくれるなんてこと。こんなことって……本当にあるんだね。
 昔、ボクのお父さんやお母さんは言ってた。人は信じあえる生き物なんだって。リズも教えてくれた。人は一人じゃ生きていけないって。……その言葉の意味が、今なら本当に分かる気がするんだ。……正直ね、ボクはこの世界でマーブルやキミ達以外の人の事を、まだ信用できたわけじゃない。……でも、ボク、信じられるように頑張ってみる。そう思わせてくれたのは、他でもない……キミなんだ。ボクを救ってくれたキミなんだよ、キリト。
 だから……そうだね。さしづめ……キミは、ボクの王子様なんだ。
 ……でもまぁ、白馬を持ってるのはボクの方だし、キミは高貴な王子様らししからぬ、真っ黒な服の王子様なんだけどね。あははっ。
 王子様がガラじゃないっていうなら……そうだね、キミはボクにとっての太陽、かな。……なにもボクが月で、キミが居ないと輝けないなんて、そんなクサいセリフは言わないけどね。
 でも、そう……キミが太陽だとしたら、ボクは……(つぼみ)。ようやく蕾を実らせることのできた、小さな花。
 ……ねぇキリト、こんなヨーロッパの昔話は知ってる?
 花はね……太陽に恋してるから、種から精いっぱい根を張って、茎を伸ばして葉を広げ、やがて蕾を実らせて、そして太陽に向かって花を咲かせるんだと思われてたんだって。花が大輪を咲かせるのは、いつもあたたかさをくれる、大好きな太陽へのプロポーズって思われてたんだ。……昔、お母さんがボクに聞かせてくれた故郷のお話なんだけど、なんだか素敵だよね。
 あっ……べっ、別にボクがキミに恋してるとか、そんなんじゃなくてさっ? ……でも、キミがボクにあたたかさを分けてくれたのは、ホントの話。
 キミがボクに人を信じさせてくれるあたたかさをくれた。だから、ボクもいつか……おっきな花を咲かせられるように、がんばってみるんだ。
 それから最後に……これは、わざわざ録音クリス
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