第15話 特攻上等!ご先祖様が遺した新たな力
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のですが、そろそろ切り上げるとしましょうか」
一旦攻撃を中断する。自由になったバンチョウはそのまま重力に従い地面に落下する。全身がズタズタに切り傷だらけにされており、バンチョウ自身の消耗もかなりのものとなっていた。よろよろと立ち上がるその姿には痛々しさすら見受けられる。
「さぁ、私の手で永遠に眠りなさい。バンチョウ星人!」
「そうは問屋が卸さないよ!」
横槍を入れるかの如く突然二人の間に真っ赤な影が横切ってきた。紅バンチョウだった。紅バンチョウが駆けつけてくれたのだ。
「あ、茜か?」
「まだくたばっちゃいないだろうね?」
「ったりめぇだ! こんなもんでくたばる轟番とバンチョウじゃねぇぜ!」
粋がって見せるもその姿はとても戦える状態とは言いづらい姿だった。
「ほほぉ、てっきりむさい男ばかりかと思いましたが、居る所には居るみたいですねぇ。美しい花が」
「生憎、あたぃは扱い方を間違えるととんでもない目に遭う花だよ」
「結構結構。それでこそ価値があると言うもの。貴方達二人をこの場で屠れば更にボーナスが増える事でしょうし。この場で仲良く儚く散ってください」
「散らせられるもんなら散らしてみな!」
遥か上空で紅バンチョウとバット星人がぶつかり会う。激しい空の対決であった。互いがそれぞれのマックスピードを出し合って激しくぶつかり合っている。互いがぶつかり会う度に鈍い音が当たりに響き渡った。
金属同士が、拳と爪が、互いの風圧が激しくぶつかり合って音がなっているのだ。
「地球防衛軍番長組唯一の紅一点にして、空を制する者。その名は伊達ではないようですね」
「今更怖気づいたって手遅れだよ! この場でコウモリ鍋にでもしてやろうか?」
「余裕のつもりですか? 私の最大速度がこの程度だと?」
意味深な発言をする。それに疑問を感じた時、それは核心に代わった。突如として、バット星人の飛行速度が数段上昇したのだ。その速度は紅バンチョウよりも一段階近く速い。
「なっ、あれが最大速度じゃない!」
「私の飛行速度は音速を超える。地球と言う狭い世界でした飛んだ事のない貴方では到底追いつけませんよ。この私の光の速さにはね」
あざ笑う様に言いつつも、その速度は既に音の領域を超えていく。さっきよりも、もっと早く、もっと早く……気付けばバット星人の姿を捉える事すら出来なくなっていた。
そして、そうなった状態のバット星人の猛攻を今の紅バンチョウがかわす事など不可能と言えた。
「茜!」
地上で番が叫ぶ。番の目の前では、成す術もなくただひたすらにバット星人の光の速さに対抗出来ず、傷だらけになっていく紅バンチョウの姿が其処にあった。
まさか、そんな事があるとは。空中戦であの紅バンチョウが遅れを
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