第15話 特攻上等!ご先祖様が遺した新たな力
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何時までもほざいてなさい!」
言葉を区切ると同時に再度バット星人が猛然と右足を斜めに蹴り上げてきた。だが、今度はそれを背後に下ってやり過ごした。蹴りの一撃をかわし、体勢を整えて反撃に移ろうとしたとき、またしても背後から痛みが走った。
「ほほほ、遅い遅い。そんな動きでは一生この私を捉える事など出来ませんよ」
其処には既にバット星人が立っていた。ついさっきまで目の前に居たと言うのに気がつけばバンチョウの背後に立っていたのだ。
恐ろしいスピードだった。
「野郎……」
「どうしましたか? さっきまでの威勢がまるで感じられませんよ?」
「舐めるんじゃねぇ! こんな程度の引っかき傷つけた位で俺をのせると思ってんじゃねぇぞ!」
「貴方の頑強さは既に承知済み。ではそろそろ仕上げと参りましょうか」
突然、バット星人が上空へと舞い上がった。青い空をバックに縦横無尽に飛び回る。グングンと速度を上げ、徐々にその姿を目で捉えるのが困難になりだしてきた時、遂にコウモリは牙を剥いた。
猛烈な速度で跳びまわりながら、そのままの勢いで突進してきたのだ。こちらに向って来た事を視認した時には既に手遅れで、次の瞬間にはバンチョウが宙に浮いていた。
其処へ畳み掛けるかの如く迫るバット星人の猛烈な空中攻撃。
「私の本領は空中戦。誰も空を飛び回る私を倒す事など出来ないのですよ」
「がっ! く、くっそぉ!」
悔しさに歯噛みする。だが、どうしようもない。バンチョウ、退いてはダイバンチョウの最大の弱点がそれなのだ。つまり、空を飛ぶ事が出来ない。これは茜の紅バンチョウ以外のメンバーにも言えた事だ。確実に、敵はこちらの弱点をついてきている。
メンバーの少なさと個々の弱点を。
「まさか、さっきのチンピラも……」
「その通り! 全ては貴方方を連携させない為の策。幾ら貴方達が強くとも連携なしではその強さは半減してしまう。加えて、貴方達の戦力は未だ空を制してはいない。移動手段もあの不恰好な飛行機一機のみ。ならば、それを抑えてしまえば貴様等の連携は出来ないと言うもの、今まで数多くの猛者達が敗れて言ったと聞くが、その統べてが皆力押しのごり押しで戦ったが為。私は違う! 私は頭を使い、狡猾に効率よく貴様等を始末する。貴様を倒した後は残りの雑魚共をゆっくり掃除してやる。簡単な仕事だ。この程度の仕事で大金を貰えると言うのだからなぁ!」
言いながらも攻撃のその手を緩める気配はない。気付けばバンチョウは上空でお手玉でもされてるかの如く飛び跳ねている。まるで玩具だった。
バット星人はバンチョウを玩具の様に弄んでいるのだ。無論、これにも奴の策略があるのだろう。今、それを考える余裕は番にはなかったのだが。
「出来ればもう少し遊んでいたかった
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