第15話 特攻上等!ご先祖様が遺した新たな力
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けてきた奴等が何故今更になってこんな程度の雑魚を送り込んで来るのだろうか?
敵も馬鹿でなければこちらの戦闘力を既に把握している筈。それなのに何故―――
「変だと思わないか?」
【あぁ、今度の奴等は大した事ないチンピラだった。何時もの奴等ならもっと腕利きを寄越す筈だってのに、拍子抜けだぜ】
バンチョウが鼻で笑って見せている。それを聞いて番もその通りだと頷いた。だが、その反面番の中にある長年の喧嘩で培ってきた戦いの勘が告げているのだ。
まだこの程度で終わる筈がないと。
【流石は噂のダイバンチョウ。この程度の戦力では戦いにすらならんようだな】
「誰だ!」
何処からか声がした。あたりを見回すが声の主はいない。見えるのは既にスクラップにされた構成員の亡骸と台風の影響で破壊された町しかない。
一体何処から声がしていると言うのか?
【何処を見ている。私は此処だ、此処!】
「上か!」
咄嗟に上を向いた。其処には確かに声の主であろう輩が見下ろしていた。
コウモリの様な大きな翼を両手に持つ不気味な姿をした奴だった。
頭部にはこれまたコウモリを模したような巨大な耳が生えており、両足には鋭い鉤爪が生え揃っている。
「てめぇ、人の事見下ろすたぁ舐めた真似しやがって!」
【ほほほっ、気付かない貴様が悪いのだ。私の存在に気付かない貴様が一番悪いのだ】
ゲラゲラと高らかにそいつは笑った。まるで番やバンチョウをあざ笑うかの様に神経を逆撫でされるような笑い声を放っていた。
その笑い方が番には気に入らなかった。余りに下品で人を舐め腐っているような笑い方が気に入らなかったのだ。
「さっきから人の事馬鹿にしやがって! 喧嘩を売るってんなら買ってやるぜ!」
「ふん、姿も下品なら言葉遣いも下品その物だな。貴様の様な下品な奴を倒した所で私の気品が汚れると言うもの、だが依頼とあれば仕方ない。貴様の命、この誇り高きバット星人が貰い受ける」
「抜かしやがれ!」
怒号を張り上げ、猛然とバット星人目掛けて拳を突き出した。唸りを上げて突き出された拳は空しく空を切る。拳を出した先にバット星人は居なかった。その姿を見失ったバンチョウは辺りを見回す。
突如として、背中に痛みが走った。何時の間にか背後に回ったバット星人が鋭利な爪でバンチョウの背中を引っかいたのだ。
「どうかな? 私の爪の味は?」
「くそっ、速い……だが、威力は大したことねぇな」
「ほほほ、これだから低脳の相手は疲れる。私の戦いは相手を甚振り尽くす事。満足に攻撃する事の出来ない相手に対し私が華麗に美しく、その身を醜い肉塊へと変える。これぞ私が作り出す最高の芸術よ」
「けっ、自惚れも其処まで来ると呆れてものが言えなくなるってもんだぜ!」
「
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