第15話 特攻上等!ご先祖様が遺した新たな力
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朝一番から番の怒号が響き渡った。目の前に見えるのは本来自分達の家が立っていたであろう場所。しかし、其処にある筈の家は影も形もなくなっており、有るのは家の残骸と思わしき木材や鉄材、それにガラスの破片とその他諸々と言った惨状しか其処に残っていなかった。
「家が、俺達の家が……」
流石に真もこの現状には驚きを隠せなかった。かつて其処には自分達が生活していた家があった筈なのに今では影も形もなくなってしまったのだから。
「これから、俺達どうしたら良いんだろう?」
「困ったわねぇ、家を建て直すお金なんて無いし……借家生活をするにも月々のお支払いを駒木さんに頼む訳にもいかないし……」
案外駒木なら二つ返事でOKしてくれそうな気もするが、遭えて其処は口出ししないで置く事にした番だった。
とにもかくにもこのままでは日々の生活すら危うい事になる。
何とかしなければならない。
「とにかく、この残骸の中で使えそうな物がないか探そうぜ。鍋とか包丁位ならまだ残ってるだろうしよ」
「分かったよ」
頷き、轟家一家全員で廃屋と貸した元自宅の捜索が開始された。
回りでは早速台風の後片付けが行われている中、番達は残骸の回収と併合して使える家具の捜索をしている状況だった。
しかし、相当酷い台風だったのだろう。使える家具も殆どが飛ばされてない状態が続いていた。
このままでは本当に野宿生活を余儀なくされてしまう気がしたその時だった。
「ん、なんだこりゃ?」
番は何かを見つけた。それは地面にあった余りにも不可思議な物体。四角い形をしており大きさは約1メートル四方と結構大きい。
手前には取っ手がついてある辺り何かの扉かと思われる。
だが、何故その扉が地面にあるのだろうか?
それを調べるべく番は取ってを持ち扉を開いた。扉の奥にあったのは下に続いている長い階段であり、その先は真っ暗で何も見えない状態であった。
「家に地下室なんてあったのか?」
疑問に思いながらも番は階段を降りてみる。カランコロンと一段一段降りる度に番の履いている下駄が音を鳴らす。ひたすら目の前の見えない階段を手探りで降りていく番。一体どれ程降りただろうか?
ふと、上を見上げてみると入り口の扉がもうかなり小さくなってる程地下に潜っていた。
(何処まで続いてるんだよ)
疑問と不安が交差しあう中、番はようやく階段を降り切った。しかし、相変わらず辺りは真っ暗で何も見えない。近くに明かりをつける機械はないかと手探りで探し始める。ふと、壁際に突起上の何かを発見し、それに触れてみると、あちこちで機械の稼動する音が響き始め、やがて真っ暗な部屋に明かりが灯っていく。
部屋全体に明かりが灯って行った事により、この空間の全貌が明ら
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