第三話 一
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と同じようにデセスポワールの死体に興味がある連中が持ち去ったという事か?」
「興味があるのって、確か司令官さんだよね?」
「あぁ、しかし…… 俺達にデセスポワール関連の任務を与えてくださっているのに、他に死体回収の任務を他に命令するか? 普通は同時に任務として命令する筈なのだが…… まあ、まだ司令官がやったと決まったわけでは無いがな」
彼は自分を納得させるようにそう語ると、唯一生き残った部下、藍川と他三人の傭兵にこれからティアティラに帰還する為の命令を伝える為席を離れる。
そして、ゆっくりと部屋から出た。
三人だけになると、結月は少しうずうずしながら暇を潰すがてらにナナシへ話しかけた。
「ねぇナナシ」
「なんだ?」
「君ってさ、私と同じ適合者なの? それにしてはなんていうかその…… よりあいつらに近いっというか、そのまんまよね。あ、でも。あいつらと違って君は人間を襲っていないし言葉も喋るし何よりアリスちゃんを守ったりするから違うよ!」
結月は言葉を選びながら、一瞬だけ自分の思った事を口にし、いけないと思って慌てて手を振って訂正する。
ナナシは自分の手を見ると、握って開いたりしてみて、それから彼女の質問に答えた。
彼自身何か分かっているわけでは無いが、思い出した限りの記憶では人間であった事、それと、アリスに自分が関わっていた事だ。
「わたしがナナシ……と?」
「あくまで記憶の自分がアリスの事を口にしていたから確証は無いが」
「どういう事なのかしら? それに白衣を着た男っという事は何かの科学者か医者…… よね、でもあの研究所に貴方が居たという事はもしかしたら貴方はそこで何かの実験をされていた…… という事よね。ところでこんな重要な事はナナシに話した方が良かったんじゃ?」
「聞かれなかったし、する気も無かった」
「へ、へぇ…… まあいいわ、後で私が彼に言うから」
淡々としたナナシの答えに、結月はたじろぎながらもめげずに一度咳払いしてから話を続ける。
まだ傷が治っているわけでは無いから、全身の痛みに少し呻く。だが、色々気になる事があるし、何よりお喋りしたり行動するのが大好きな性格だったから、彼女はじっとしているのが暇だった。
「アリスちゃんの事を知っているのならもしかして、ナナシは彼女の親戚とかじゃない?」
結月の問いに、ナナシでは無くアリスが答える。
「えっと…… わたしにはパパしかいないよー? えっと、たしか…… わたしにおにいちゃんがいたらしいけど、わたしがうまれてたときにはしんじゃったってパパからきいた」
「うあ…… そ、そうなの…… その、ごめんね」
「べつにだいじょうぶだよ! わたしがちっちゃいころにいなくなったんだも
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