第三話 一
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?」
二人がコソコソと不謹慎な話をしていると、他の傭兵二人が彼らが何を話しているのか気になり、話に加わってきた。
「なになに、何の話?」
「俺達も混ぜてくれよ」
興味津々に最初に会話に入ってきたのは結月よりほんの少し年上な小豆、次に声をかけたのは屈強な筋肉をしている村野という傭兵だ。
新田はそんな二人にも先程話していた内容を彼らにも話した。
「へぇ、何それ面白そう」
「こうなったら二人をくっ付けるしか無いな」
「くっつけられたら私は掛けが負けてしまうじゃないですか、全力で阻止します!」
「ちっ下手に掛けなんてするんじゃなかった、じゃあ、今の掛け無しでお願いします、兵士殿」
「この任務が終わって何かを奢ってくれるのならいいですよ」
「よっしゃ! 取引成立だな。酒と飯が上手い店があるんだ、この任務が終わったら奢るよ」
彼ら四人が集まって、そんな掛け合いをしていた数分後。
家屋の入口にある扉が開き、彼らは会話を中断させて、すぐさま皆一様に持っていた銃を扉の開いた方向へ向けて構える。
彼らの構える先には、虚ろな表情をしている少年が立っており、村野は冷や汗を流しながら震えるように質問した。
「お、お前…… 誰だ?」
「ナナシだ」
「あ、あの…… デセスポワールか…… 」
全員ナナシという名前を覚えていたらしく、警戒心を解いてはいないながらも一応全員銃を下げた。
ナナシが彼らの隣へ通る時、彼らは身体が恐怖で震え、藍川と小豆に至っては若干涙目になっていた。
先程までの和やかな雰囲気から一転して、緊張して誰も喋れないような雰囲気になっている。
彼はそんな四人に少し視線を向けるもすぐに無視して、アリス達が居る部屋へと入っていった。
「あ、ナナシおかえりなさい!」
「ただいま」
アリスはナナシが帰ってくると、振り向いて笑顔で出迎え、彼に飛びついた。その時に、スカートの裾がふわりと少しだけ舞う。
「ナナシ、さっきまでどこにいってたの?」
「死んだデセスポワールを喰らおうとあそこに戻っていた。しかし、死体が消えていた」
「消えた?」
ナナシとアリスの話を聞いていた天羅は疑問に思い、首を傾げて彼に聞き返した。
「あぁ、だけど理由は分からない」
「一体どういう事だ? ……まあ、最近分からない事だらけでこの疑問も今更だがな」
「誰かがデセスポワールの死体を利用してるのかな?」
結月は少し考えてそう呟くと天羅は顎に手を当て唸りながら考える。
そして、すると数秒もしないうちに一つの可能性が閃いた。
「俺達の任務はデセスポワール…… つまり、ナナシの捕獲だ。もしかしたら、それ
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