【ゼロの使い魔】編
019 白の国、アルビオンへ その1
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SIDE 平賀 才人
「サイト、行きましょうか」
「さぁ、行こうか」
「さぁ、行きましょう」
アンリエッタ姫が夜分遅くにルイズの部屋に来訪した時から明くる日、トリステイン魔法学院の外で俺に出発を促すのは上から順に、ユーノ・ド・キリクリ、ギーシュ・ド・グラモン。……そして、俺の主であるルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
……何故俺が──俺たちがこんな場所に居るかと云うと、その理由は昨日の夜にアンリエッタ姫が来訪してきた後に遡る。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ふぅ……」
「どうしたんですか? 姫様」
沈痛といった表情でため息を吐くアンリエッタ姫に、ルイズはそのため息の理由をアンリエッタ姫へと訊ねる。アンリエッタ姫はイヤイヤと頭を振りながら口を開く。
「ダメ。やっぱり友達≠フルイズ・フランソワーズにこんな事は言えませんわ……」
「そうですか。姫様がどのような事をお悩みかは判りかねますが、私の手にあまりそうですね。それに、私みたいな一学生なんかよりマザリーニ枢機卿の方が姫様にとってより良い答えを──」
「聞いてくれないの?」
(……なんだこの茶番は?)
ルイズもアンリエッタ姫の強調された友達#ュ言にイヤな予感がしたのか、アンリエッタ姫の申し出をやんわりと断ろうしたが、アンリエッタ姫のまるで捨てられた子犬の様な表情に俺は思わず呆れてしまう。
「聞きますから、そんな捨てられた子犬みたいに目をウルウルさせて私を見ないで下さいっ」
「流石、私のお友達! 話とはですね──」
これ以上は拙い気がしたので、ルイズとアンリエッタ姫が昔話に花を咲かせ始めた辺りから空気を読んで薄めていた気配を元に戻す。……理由は流石に、そろそろ介入しようと思ったからというのも有るし、アンリエッタ姫の茶番≠ノ呆れた側面もあるのだが。
「んっん! 姫殿下、ただの平民ある俺が、その話は俺が聞いていいのでしょうか? 拙いなら席を外しますが……」
「貴方は?」
「あ、姫様に紹介しますね。彼はサイト・ヒラガ。私の使い魔です。ほら、サイトも挨拶しなさい」
「……御初にお目にかかります。私、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール様の使い魔となりましたサイト・ヒラガと申します。この度は≪トリステイン国の一輪の花≫と名高きアンリエッタ姫殿下に拝顔の栄に浴するとが出来、恐悦至極にございます」
「まぁ、これは御丁寧に。でも、ルイズの使い魔さんなら、私の友人も同義です。なので、もう少し砕けた話し方をしてもらえて結構ですよ。……それにしても貴方がルイズの手紙にも在った使い魔さんなんですね? よく貴方の
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