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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第405話】
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 だが、親父はこんな事態でも動揺する事なく、ここに来て初めてその口が開かれた。


「ヒルトッ! 安心しな、お前の親父である俺が、息子の前で簡単に倒れるかよッ!!」

「あぎゃッ! やはりその声……有坂陽人!」


 声を聞き、確信したのか声色が弾む男、親父に迫る粒子ビーム――明らかな劣勢にも関わらず、黒夜叉の装甲がスライドし、そこが開くと紅く発光――紅い粒子が放出されると同時に轟く親父の声。


「【MAXモード】、発動ッ!」


 その言葉と共に黒夜叉の機体周囲から衝撃が走り、大気を震わせ、紅いツインアイが更に煌々と輝きを放ち始める。

 それは紅い宝石、ルビーの様に美しく輝いていて、見る人の目を惹き付ける印象を与えた。

 刹那――周囲に展開していた自律機動兵器から発生していたAICの反応は無くなり、その自律機動兵器は地上へと墜ちていく。

 急に動かなくなった自律機動兵器だが、男はさして気にも止めずにどう対処するのかを眺めていた。

 黒夜叉の両手が前面に翳され、プラズマ粒子が手のひらから機体周囲全体へとプラズマ粒子バリアーを張る。

 五本の粒子ビーム全てが、プラズマバリアーに阻まれて四散、この結末がわかっていたかのように男は満足する様に頷いた。

 だが、そんな余裕のある行動を親父が見過ごす訳も無く、機体周囲に展開したプラズマバリアーが鋭角化され、両手を重ねるとまるでドリルの様にプラズマ粒子が高速回転――それと同時に一気に肉薄。


「何……ッ!?」


 鋭角化され、ドリルの様に回るプラズマ粒子が男の機体を捉え、激しくシールドバリアーと干渉――それを易々と突破すると更に装甲に当たり、プラズマ粒子の四散と共に激しく装甲から火花が舞う。

 徐々に装甲表面が紅く溶解していく――それすらもISにはダメージになり、否応なくシールドエネルギーが削られていく。


「ギィッ!? ちっ……! ワンオフ・アビリティーはもう使えねぇし……こりゃ少し不味いな……ッ!」


 先程まで弾んでいた男の声も、今は少し焦りの色が見え始める。

 溶解した装甲の一部が完全に溶け、絶対防御を発動させる。

 尚も貫く様に続ける一撃だが、突如黒夜叉の紅く輝いていてツインアイからは光が失われ、両手から発生していたプラズマ粒子のドリルが弾けるように飛ぶ。


「……あぎゃッ、成る程。 ……だが、おかげで俺様は助かったぜ。 足止めも十分だな……」


 何かを悟ったのか、親父から離れると翼から大量の推進エネルギーが放出され、爆発的加速でアリーナから上空へと飛び出す男の機体。

 その時に発生した衝撃に、防御して体勢を整えている間に男はもう上空にはいなかった。

 ゆっ
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