暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第一話
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
ーカーを羽織る、金髪をポニーテールにした少女。強気な顔に、銀色のこれまたSFデザインのレーザーガンを備えていた。シノンはかなり古参のプレイヤーだが、あんな装備は一度も見たことがなかった。

 もう1人は、黒い長い髪と、全体的に赤いデザインの和服めいた服装の少女。武器はこの世界には存在しないはずの、《刀》。

 突如姿を現した二人は、あっさりとBoBのフィールドを蹂躙した。破壊不能のはずのオブジェクトすら粉々に吹きとび、切り裂かれ、プレイヤー達は瞬く間に全滅した。

 だが、BoBは終わらなかった。BoB決勝戦のフィールドはそのまま維持され、二人はそこを支配し始めたのだ。BoB決勝戦参加者約三十名あまりは取り残されたまま、この一週間、ログアウト以外のほぼすべての行動をとれないでいる。ログアウトしたまま帰ってこないプレイヤーも多い。ログアウト後に再ログインしてもこのフィールドに戻されるだけなのはすでに確認済みだ。

 リアルで調べたところ、GGO本来のフィールドでも、このように異変が起きているらしい。ロボットめいた異様に強い謎のクリーチャーが姿を現し、プレイヤー達を蹴散らしているとの事だった。

 恐らく、GGOの悲劇の元凶は、あの二人組だ。誰かが彼女たちに勝負を仕掛けてくれるのを待つ、という手もあるが、それでは一向に解決の兆しは見えないだろう。何より、シノンは誰かに頼ってずっと待っている、というのが嫌いだった。

 ここ数日で、かなり彼女たちの情報を集めた。

 まず、彼女たちはやはり仲間であるという事。

 次に、彼女たち自身の仲はそこまで良いわけではなさそうだという事。

 その次は、彼女たちの名前。金髪の方が《シャルルフォンシャルロッテ・イクス・アギオンス・サーティシックス》、黒髪の方が《サクリファイス・イクス・アギオンス・サーティセブン》という名前らしい。何か機械めいた口調で、報告の様なものを相手ではない誰かへしていたように見えた。あのノイゾという少女だろうか。シノンの見立てでは、彼女は表向き今回の主犯のようだが、その上に何者かがいる可能性があった。彼女は『私はレギオン《白亜宮》の一員』といったのだ。もし彼女がその《白亜宮》とやらのリーダーなら、『《白亜宮》のリーダー』だとか『王』だとかそう言う言い方をしそうなものである。

 あとは彼女たちの隙をついて、倒すだけ。彼女たちの強さは初日の襲撃の際にすでにいやというほど知っている。初撃で仕留めるしかない。

 実行に移す時を待ちながら、シノンは再び息をひそめたのだった。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ