第四章
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た。それではだ」
「後で娘も行かせます」
お里のことも忘れてはいなかった。
「では今すぐに」
「よし、では」
維盛は弥左衛門の言葉を遂に受けた。そうして今まさに店を発とうとした。しかしその時だった。
不意に店の玄関の扉を叩く音がしてきた。二人はその音を聞いて顔を見合わせる。
「まさか」
「追手が!?」
強張った顔でその可能性を考えた。今はそれを考えてもおかしくはない状況だった。だがその危惧はこの時は幸いにして外れたのであった。
「若し」
「!?この声は」
「女の声ですな」
「うむ、間違いない」
維盛は弥左衛門の言葉に対して頷いた。
「では追手ではないか」
「いえ、それはまだわかりません」
弥左衛門はあくまで慎重であった。
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