魔人‐ファウスト‐part1/災いを呼ぶ少女
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越しになりますので忙しいから、邪魔はしないでくださいね」
聞き直そうとするサイトを否定し、シエスタはすごく冷たい言い方までおまけに付けてどこかへ歩き去ってしまった。
『なるほど、禁制の品だったのか』
「ああ、モンモンめ…」
こうなったらもう一度モンモンに…!
サイトは部屋に戻ってデルフを担ぎ、まっすぐモンモランシーのところへ向かって行った。
「惚れ薬なんて必要ないさ、僕の心は常に君の…」
サイトがモンモランシーの元へ向かう中、室内の噴水近くでモンモランシーは汚れた床を水に浸し、ギーシュがワルキューレに掃除用具を持たせ、濡れた床の掃除をさせていた。二人は噴水のすぐ脇の椅子に座っていた。
「皆アンリエッタ様来訪の準備に取り掛かっているから口説く相手がいないだけでしょ」
そう言われてギクッと声を漏らすギーシュ。しまらない残念ツケメン僕イケメンな奴である。
「やいモンモン!」
ここで再びサイト登場。二人の前にノシノシと歩いてきた。
「な、何よ?」
「改めて申し上げます。解除薬を」
「ちょ、ここ人が通るのよ!黙ってて頂戴!」
必死になってシーっと黙るように言うモンモランシーを見て、サイトは確信を得た。惚れくするのことをよほどバラされたくないのだと。
「ほっほぅ…?」
「…な、何?」
「やっぱりそうか〜、惚れ薬ってご禁制だったのか〜ほっほぅ…」
モンモランシーはうっ…と息を詰まらせる。サイトはきっと知らないから舐めていたのだが、やはり知っていたようだ。
「とりあえず、学院長に〜、報告に行こうかな〜。なんかの準備作業とかで〜、忙しいみたいだけど〜、ことが終わった後で〜…」
わざとだらだらと、そしてイヤーな笑みを浮かべるサイトに、モンモランシーは返答する言葉を完全に絞られてしまった。
「わ、わかったわよ!作るから!!ちゃんと作りますから!作ればいいんでしょ!」
計画通り…サイトがそんなふうに呟くと、モンモランシーは悔しそうにくー…っと歯をかみしめる。
「いいじゃねえの、がみがみ言われないで済むんだしよ」
すると、デルフは鞘から顔を出して茶化してきた。
「そう言うわけにいくかよ。お前までそんなこと言うなよデルフ」
「おや、君はルイズが好きだったんじゃないのかね?」
ギーシュがそう言ったが、サイトは正面から首を横に振った。
「いつ誰がそこまで言ったんだよ。第一俺はあんな薬で好かれたって嬉しくもなんともない。所でモンモン、いくら金がないって言っても、材料とかまだ残っているだろ」
「まあ、ある程度はそろってるけど、あと一つだけ足りないのよ」
「何が?」
「『精霊の涙』よ。それはラグドリアン湖の湖に住む水の精霊からとるの。といっても、うちの実家が交渉し、ちゃんと了承を得てもらわないといけないの。
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