暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
魔人‐ファウスト‐part1/災いを呼ぶ少女
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も通り賄を頼みに来たのかと思ったシエスタだったが、サイトが自分の言葉も遮って匿ってくれと頼んできたのだから混乱するしかない。サイトが、扉とは反対側に口を開けた厨房の流し台の下にある隙間に隠れると、サイトを追ってきたルイズが駆け込み乗車のごとく入ってきた。
「ちょっとメイド!サイトを見なかった?」
「え?えっと…来てませんが…」
「やっぱりこのメイドの方がいいのね!!私があんなに愛してるのに…昨日の夜だってキスしてあげたっていうのに!!サイトの馬鹿!!!見つけたらお仕置きなんだから!!」
 何かものすごく勘違いされやすいことを喚きながらルイズは厨房から出て行った。
「ふ、ふう…とりあえず助かった…かな?」
「モテモテですね。サイトさん」
 サイトはその声を聴いて思わずゾクッとした。振り返ると、表情こそ笑っているが目が全然笑っていない、どす黒いオーラを出しているシエスタがそこにいた。
 ちなみに、このシエスタの姿はあのゼロでさえ内心恐怖を覚えていた。
『こいつのこのオーラ…マジで人間か…すげえ冷たいんですが…』
 人間の常識など露も知らなかったゼロに、よもや乙女のジェラシーの意味など理解できるはずもなかった。
「あ、あの…なんで怒っていらっしゃるんですか?シエスタさん?」
「い〜え、怒ってなんかいませんヨ?サイトさんもおかしなことを仰るんですNe〜」
 だったらなんで、いかにも怒ってますみたいな感じの声で言うんですか!明らかに言ってることとお顔があってません!矛盾してますよ!サイトは心の中で泣きたくなる。
いや、ここは勇気を出して真実を言うのだ!
「あ、あのさシエスタ!あれはルイズの本心じゃないんだ。誤って惚れ薬を飲んであんなふうになっただけなんだよ」
「そんな嘘つかなくたって私気にしませんよ。首についてる真っ赤っかなものが付いてたって気にしませんからね」
「はぅあ!?」
 思わず首筋を隠すサイト。シエスタにははっきり見てていたのだ。サイトの首筋に、ルイズがしっかり刻み付けたキスマークが残っていたのである。
「惚れ薬のように、人の心を変える薬は法律で禁じられていることくらい、平民の私だって知ってますから」
「なんだって!?」
 惚れ薬が、ご禁制!?いや、確かに一理ある。ルイズは自分に対してこれと言った好意を抱いたわけじゃない。そんな彼女が自分にたった一日で惚れる作用を与える薬。これは言い換えれば、非人道的な洗脳だ。人間を心変わりさせる手段は、かつて地球を狙った侵略者の一部も用いたことがある。許していいはずがない。
「…キスなら私だってしたのに…ぼそ」
 ふと、シエスタが俯いて何かつぶやきだした。
「え?シエスタ、今なんて…?」
「なんでもありません!!私、これから仕事なので…失礼させてもらいます。王女殿下が明日お
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