魔人‐ファウスト‐part1/災いを呼ぶ少女
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ろうけどね」
『こいつら使えねーな…』
サイトの中で、ゼロは呆れかえっていた。ウルトラの星は地球やこのハルケギニアほどお金に拘るようなことはないのだが、さすがに無駄使いの愚かさを知っているようだ。
「他に手は?」
「正直打つ手なしね…入荷だって絶望的なのよ」
使えねー。サイトもゼロに同調するように心の中でぼやいた。
「ああもう、とにかく。近いうちに何とかしろよモンモン」
「できたらね…」
できたらねって、このやろ…。サイトは地味にムッとした。ギーシュがサイトの不機嫌な態度を見かねて口を開く。
「仕方ないさ。解除薬を作ろうにも、二日後…まあもう明日と言うべき時間だと思うが、アンリエッタ姫殿下がこの魔法学院にお越しになるのだ。今はあの方をお出迎えするための準備を一日で終わらせなくてはならない。」
適当に言い訳作って逃げるんじゃないよな…と横目でサイトはギーシュとモンモランシーを見る。と、ルイズはサイトの服をぎゅっと握ってきた。
「モンモランシーがいいの?」
「え?」
「モンモランシーの方がいいのね!!私の方がサイトのこと好きなのにーー!!」
バカバカ!と両手でサイトの胸をどんどんと叩き続けるルイズ。サイトが自分に構わずモンモランシーと喋っていたから嫉妬していたようだ。
「ち、違うって!大事なことを話してただけだ!」
「安心したまえルイズ!そもそもモンモランシーは僕にとって愛の象徴なのだからね!」
モンモランシーを話の出しにされて危機感を抱いたのか、ギーシュも断固否定した。
「効果抜群ね…」
「他人事みたいに言うなよ!!」
我ながらすごい出来映えと思わず自画自賛したモンモランシーに、サイトは突っ込みを入れた。
っとまあ、これが昨夜起った一部始終。ルイズはあれからサイトにべったりとくっついてくる。モテたことのない男としてはうれしくも、ちょっと厄介。つまりありがた迷惑でもあった。昨日の夜は一緒のベッドで寝てくれないと嫌だと駄々をこねてきたところを何とかなだめ、いつも通り藁の寝床に寝転がったのだが、自分が寝ている間にルイズは自分まで藁の寝床に入り込んできたのだ。おまけに、サイトは自分のものであると言う証明書代わりに、首筋に何度も噛みつくわキスするわと大変だった。
これはもうたまらない。ルイズを引っぺがして外に出てシエスタの賄を食べに行ったのだが、ルイズが「待って!!置いてかないで!」とサイトを追いかけ始めたのだ。周囲の生徒たちは女王来訪に備えた準備に取り掛かっていると言うのに、本来真面目なはずのルイズの学校行事をないがしろにする行為に誰もが奇妙に思っていた。
適当に撒きながら厨房にたどり着き、サイトはシエスタを見ると、縋るように助けを求める。
「シエスタ頼む!匿って!」
「え?え?」
いつ
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