魔人‐ファウスト‐part1/災いを呼ぶ少女
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い短気な性格で、それ故にせっかくの頭の良さを台無しにしている、でもどこか素直じゃない優しさを持ってもいる、いわゆるツンデレ属性の女の子…のはず。
なのに、なんだろう…本当に…なんじゃこりゃ。
がっしりと泣きじゃくりながらサイトに抱きついている。ツンなんか欠片もない、ただのデレデレ娘に変貌しているではないか。
こうなったのには理由がある。それは昨日のことだ。シエスタと二人きりで入浴すると言う、思春期少年にとってあまりにも刺激的すぎる入浴タイムを満喫したサイトだったが、部屋に戻ってどういうわけか不機嫌そうなルイズと喋っていると、発熱したかのようにルイズの顔が赤く染まりあがったのだ。一体どうしたんだと思ってサイトが心配になると、急にルイズは子供のように鳴き出し、サイトの胸に飛び込んできたのである。
「サイトのバカバカ!!私の方がサイトのこと好きなのに、あのメイドの子と一緒に入るなんて〜!!」
え?何!?どうしちゃったんでやがんすかうちのご主人様は!っていうかシエスタとの風呂ばれてた!?
訳が分からず、ただルイズからの熱い抱擁を受けるがままのサイトは固まってしまう。すると、そこへモンモランシーと彼女を追ってきたギーシュがサイトたちがいるルイズの部屋へとやってきたのであった。
「ほ、惚れ薬!?」
モンモランシーから話を聞いたサイトは声を上げた。
「し!声が大き過ぎるわよ!」
モンモランシーはしーっと人差し指で声を出さないようにサイトに言う。惚れ薬、間違いなく言葉通りの効果を服用者にもたらす薬だ。でなければあのツンツンルイズがあんなにデレデレキャラになるわけがない。
「なんでルイズがそんなもんを飲んだんだよ?もしかして飲ませたのか?」
「違うわよ!あの子が勝手に飲んだのよ!」
「勝手に飲んだ?ま、まさかモンモランシー…君があの時くれたグラスの中に…」
ギーシュはさっきまでのモンモランシーとの二人きりの時間の際、彼女から二つの内片方のグラスを与えられたのを思い出す。「あ!裸の美女が空飛んでる!」なんてくだらない嘘に引っかかっている間に、彼女が惚れ薬をギーシュのグラスに仕込んでいたのだ。
すると、モンモランシーは人差し指を突き出してその指先をギーシュの花に押し当てる。
「仕方ないでしょ!あなたが悪いのよ!どうしてもよりを戻したいってあなたがかわいそうだったから仕方なく!もう一度付き合ってあげてるのに、言った傍からまた他の女の子たちと仲良くしてばっかいるんだから!」
乙女の悩みとギーシュの浮気性が絡んでいるのはわかったが、ただの逆切れであることに変わりない。
だが、それは言い換えればそれほどギーシュを思う気持ちの表れとも言えた。それを察知したギーシュが熱のこもった視線をモンモランシーに向ける。
「そんなに僕のこ
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