魔人‐ファウスト‐part1/災いを呼ぶ少女
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なかった。なぜ、一言でもそういったことを言わないのか。彼から恨まれても仕方ない自分をどうして助けてくれたのか、その明確な理由がいまだ不透明だ。
シュウは確かに悪い人間じゃない。でも子供たちの面倒を見てきたことで、ある程度の相手の行動の意味を読めるようなったおかげか、彼は他者とは一定以上の関係になるのを拒んでいるように見えた。一見エマとの会話も、彼女と仲良くしようとしていると言うより、うまく乗ってあげなかったがめにエマを泣かせてしまうと言う後の厄介ごとを適当に払うためにしているようにも見える。
自分に降りかかってきた運命を、たとえどんなに悲しいことだとしてもありのまま受け入れようとしているようだ。
子供たちを育てて母性本能と言う者が強くなったからだろうか。放っておくことができなかった。テファは、彼のことをもっと知りたいと思うようになった。
M78星雲、光の国。
その世界は、地球人から見れば見るだけで感動を催す光景が星全体に広がっていた。一点の闇さえもないほどの光り輝いた都市の、人間の作るビルなんて比べ物にならない巨大な建物の群れは鏡のように反射している。
建物の根本の道には、数多くのM78星雲人たちが地球人たちと同様に、友人同士で喋りあったり、自分たちの腕の中にいる赤ん坊を抱きしめる夫婦がいたり、道上を走りながらはしゃぐ子供たちと様々だった。
この街は『クリスタルタウン』。歴代のウルトラ戦士たちの所属する宇宙警備隊の本部もこの街に存在している。
すると、その本部に向かって飛来する二人の戦士がいた。
一人は、M78星雲人の中で最初に地球に訪れたとされ、科学特捜隊の『ハヤタ・シン』と同化し地球を守ったウルトラ兄弟のNo.2『初代ウルトラマン』。もう一人は、その次に地球を訪れ、『モロボシ・ダン』としてウルトラ警備隊に参加した元恒点観測員340号にしてウルトラ兄弟No.3『ウルトラセブン』。
赤色の豪勢で立派なマント『ウルトラマント』を靡かせ空を飛行しながら、彼ら二人は宇宙警備隊本部へ降り立った。
「大丈夫かハヤタ、それにセブンよ」
彼らを出迎えてきたのは、宇宙警備隊の隊長にしてウルトラ兄弟No.1『ゾフィー』。長く地球に留まった経験はないが、幾度か地球を訪れ、他の兄弟たちと共に守ったウルトラ戦士だ。
ウルトラマンはもともと地球人の言う名前と言う概念はなかったのだが、セブンが地球を守りその任を果たして以降から、個別の名前を持つM78星雲人たちが広がり始めていた。
初代ウルトラマンもまたそれに因んで、自分がかつて同化していた男、またはその当時の名残で再び地球に訪れたときには彼の姿を借りたこともあって、ハヤタの名前で呼ばれることが多くなっていた。
「しばらく連絡が取れなくなったから心配しました」
そう言
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