魔人‐ファウスト‐part1/災いを呼ぶ少女
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ここまで来て、目的の品も代わりもなしに帰ることになるのか?が、次にモンモランシーは顔色を一気に変えた。
「湖の中に何かがいる!?」
穏やかでないその叫びに、サイトとギーシュも目の色を変えた。
「何かがいるって、それはどういうことだい?モンモランシー」
「言葉通り、ロビンが言うには、水の精霊はこの湖底に身を隠している何かを閉じ込めているの。それも、かなりの大きさで力もすごいみたい。だからこの辺りの水かさが増していたのね」
モンモランシーはそう言って、水かさの増したラグドリアン湖の湖畔を睨む。
「閉じ込めている何かって…ドラゴンとかかい?」
何となく恐怖を感じたギーシュが恐る恐るモンモランシーに尋ねる。
「ドラゴンよりも恐ろしいものよ」
ドラゴンより恐ろしい。それを聞いて瞬間的にサイトは確信した。
「怪獣…だな」
「かか、怪獣!?もしや、トリスタニアを襲ったと噂の、あの化け物のことかい!?」
聞いた途端ギーシュが青ざめる。腰を抜かした想い人の姿に困ったようにモンモランシーはため息を漏らす。
「そんなに怖いなら、別についてこなくてもいいのに…私も正直帰りたいけど」
「い、いや!僕はモンモランシー、君のナイトだ!だから怪獣が相手だろうが、絶対に守って見せる!!」
気合を入れてかっこいいことを言って見せるギーシュだが、足が震えてとてもじゃないがかっこよくない。期待はしないでおこう…モンモランシーはそう誓った。サイトは虚勢を張るギーシュを無視して湖畔の中を覗き見る。
「にしても、ここはちょっと懐かしい気分になるな〜」
ふと、デルフが顔を出して呟いた。
「懐かしい?」
こいつは昔ここに来たことが、…いや、剣だから連れてこられたことがあるのだろうかとサイトは首を傾げる。
『なんだか、匂うな…』
と、ゼロがここで声を漏らしてきた。
『匂う?』
サイトは気になって、その言葉がどういう意味かを聞く。
『ああ、俺たちがよく嗅ぎ続けてきた匂いだ』
『なんだよ、やけに真面目だな』
これまでのゼロを思い出しながら、サイトはそう呟くと、ゼロはサイトに対して抗議する。
『茶化してんじゃねえ。俺だってこれでも真面目にやってきてんだぜ。それに…』
さらに神妙な声になるゼロ。まだ、何か思うことがあるのか。サイトもより一層目つきを変えながら耳を貸す。
『気を付けろ。正直言って、近くにやばい気配を感じる…』
『やばい気配?』
『わからねえ。けど…妙なんだ。この気配、俺たちウルトラマンと近いようで…対局の…そう…』
――――闇の匂いがする
そうゼロが告げた時だった。
彼らに耳に足音が聞こえてきた。それもこちらにだんだんと近づいてくる音。誰かがここに来るのか?こんな、村が湖の一部となったこの荒れた場所に
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